のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
なお,本剤の使用にあたっては,添付文書を熟読すること。
(2)
頻回に臨床検査(血液検査,肝機能検査,腎機能検査等)を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な処置を行うこと。骨髄抑制は用量依存的に発現する副作用であり,用量規制因子である。白血球減少の最低値は一般に,5日間投与[肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)]においては投与開始日より約2~3週間後1)に,21日間投与[悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌]においては投与開始日より約3週間後2)にあらわれる。
(3)
化学療法を繰り返す場合には,副作用からの十分な回復を考慮し,肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)においては少なくとも3週間の休薬,悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌においては少なくとも1~2週間の休薬を行うこと。また,使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ,遷延性に推移することがあるので,投与は慎重に行うこと。
(4)
他の抗悪性腫瘍剤,放射線照射を併用する場合には,骨髄抑制等の副作用が増悪することがあるので,患者の状態を観察しながら,減量するなど用量に注意すること。
2.
感染症,出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
3.
小児に投与する場合には,副作用の発現に特に注意し,慎重に投与すること。
4.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には,性腺に対する影響を考慮すること(「その他の注意」の項の1.参照)。
5.
手術あるいは放射線治療の補助化学療法として用いた場合,その有効性・安全性は確立していない。
6.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により,急性白血病(前白血病相を伴う場合もある),骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があるので,十分に注意すること。3)~8)
7.
卵巣癌に本剤を使用する際には,関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:エトポシド(卵巣癌)」等)を熟読すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗悪性腫瘍剤,放射線照射
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等を増強することがあるので,併用療法を行う場合には,患者の状態を観察しながら,減量するなど用量に注意すること。
機序・危険因子
ともに骨髄抑制作用を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
**〈概要〉
(1) 5日間連続投与
総症例1,648例(承認時375例及び市販後調査1,273例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は75.9%であり,主なものは白血球減少48.2%,貧血(赤血球減少及びヘモグロビン減少)30.9%,血小板減少20.3%,脱毛32.6%,食欲不振28.0%,嘔気20.7%,嘔吐9.7%,倦怠感9.4%,口内炎5.8%であった。(承認時から再審査終了時及び剤型追加承認時)
(2) 21日間連続投与
総症例181例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は96.7%であり,主なものは白血球減少75.1%,ヘモグロビン減少65.7%,血小板減少14.9%,脱毛59.1%,食欲不振51.4%,悪心・嘔吐42.0%,倦怠感30.9%,口内炎13.8%等であった。(承認時)
子宮頸癌を対象としたシスプラチンとの併用投与による製造販売後臨床試験の安全性評価対象30例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は100%であり,主なものは悪心93.3%,食欲不振80.0%,倦怠感60.0%,脱毛症60.0%,下痢26.7%,便秘23.3%,白血球減少90.0%,ヘモグロビン減少80.0%,赤血球減少76.7%,AST(GOT)上昇26.7%,ALT(GPT)上昇26.7%,γ-GTP上昇20.7%等であった。
子宮頸癌を対象とした使用成績調査の安全性評価対象278例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は57.2%であり,主なものは脱毛15.1%,悪心14.0%,嘔吐5.4%,白血球減少27.3%,貧血9.0%,ヘモグロビン減少4.0%,血小板減少3.6%であった。(子宮頸癌再審査終了時)
重大な副作用
1. **骨髄抑制
汎血球減少(0.1%),白血球減少(48.3%),好中球減少(7.0%),血小板減少(18.0%),出血(0.1%未満),貧血(7.2%)等があらわれることがあるので,頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な処置を行うこと。
2. **間質性肺炎(0.3%)
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 肝臓
1~10%未満
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,ビリルビン上昇,γ-GTP上昇,Al-P上昇,LDH上昇
2. 腎臓
1~10%未満
BUN上昇,クレアチニン上昇
3. 腎臓
1%未満
尿蛋白
4. 消化器
10%以上
悪心・嘔吐,食欲不振
5. 消化器
1~10%未満
口内炎,下痢,腹痛,便秘
6. 過敏症注
1~10%未満
発疹
7. 皮膚
10%以上
脱毛
8. 皮膚
1%未満
紅斑,そう痒,色素沈着
9. 精神神経系
1~10%未満
頭痛
10. 精神神経系
1%未満
しびれ,一過性皮質盲
11. 循環器
1%未満
心電図異常,不整脈,頻脈,血圧低下
12. 電解質
1%未満
ナトリウム異常,クロール異常,カリウム異常,カルシウム異常
13. その他
10%以上
倦怠感
14. その他
1~10%未満
発熱,血清総蛋白減少
15. その他
1%未満
顔面潮紅,浮腫,味覚異常
注:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では,一般に生理機能(骨髄機能,肝機能,腎機能等)が低下しており,本剤の投与で骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現しているので,頻回に臨床検査を行い,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等