ヘモグロビン値及び血小板数)及び便潜血検査等の臨床検査を実施することが望ましい(「副作用」の項参照)。
2.
本剤の使用にあたっては、観察を十分に行い、臨床的に問題となる出血又は出血の増悪がみられた場合には投与を中止すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと(「副作用」の項参照)。
3.
患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するよう指導すること。
4.
患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。服用を忘れた場合は、一度に2回分を服用せず、直ちに本剤を1回分服用し、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者に指導すること。
5.
アスピリン、クロピドグレル硫酸塩等の抗血小板剤との併用により、出血リスクが増大するおそれがあるので、注意すること。これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること(「相互作用」の項参照)。
6.
非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により、出血リスクが増大するおそれがあるので、注意すること。非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制及び静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に対し本剤を用いる場合は、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること(「相互作用」の項参照)。
7.
本剤と他の抗凝固剤との切り替えの際は、次の事項に留意すること。
(1)
ワルファリンから本剤に切り替える場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始すること。
(2)
未分画ヘパリンから本剤へ切り替える場合は、持続静注中止4±1時間後に本剤の投与を開始すること。
(3)
他の抗凝固剤(ワルファリン及び未分画ヘパリン以外)から本剤へ切り替える場合は、次回の投与が予定される時間から本剤の投与を開始すること。[健康成人にリバーロキサバン又はアピキサバンを3日間投与後、本剤単回投与に切り替えたときのプロトロンビン時間(PT)、APTT又は抗FXa活性への影響は、本剤反復投与4日目と同程度であった。同様に、ダビガトランから本剤に切り替えたときのAPTTは、ダビガトラン反復投与3日目と同程度であった。]
(4)
本剤からワルファリンに切り替える場合は、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤30mgを投与している患者では15mg 1日1回とワルファリン、60mgを投与している患者では30mg 1日1回とワルファリンを併用投与すること。もしくは、本剤の投与終了後、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、ワルファリンと非経口抗凝固剤(ヘパリン等)を併用投与すること(「臨床成績」の項参照)。なお、本剤の投与終了後24時間を経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しないため、PT-INRは本剤の次回投与直前に測定する必要がある。
(5)
本剤からワルファリン以外の他の抗凝固剤に切り替える場合は、本剤の投与を中止し、次回の本剤投与が予定される時間に抗凝固剤の投与を開始すること。
8.
本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価すること。本剤の投与再開は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに行うこと。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗凝固剤
ヘパリンナトリウム、ワルファリンカリウム、エノキサパリンナトリウム、フォンダパリヌクスナトリウム、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
2. 薬剤名等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩、非ステロイド性消炎鎮痛剤等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
3. 薬剤名等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、t-PA製剤等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
機序・危険因子
相互に抗血栓作用を増強することが考えられる。
4. 薬剤名等
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤
キニジン硫酸塩水和物、ベラパミル塩酸塩、エリスロマイシン、シクロスポリン
臨床症状・措置方法
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制〉
本剤の血中濃度を上昇させるとの報告があり、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、本剤30mg 1日1回経口投与すること(「用法及び用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)。
機序・危険因子
P糖蛋白を阻害することにより、本剤のバイオアベイラビリティを上昇させると考えられる(「薬物動態」の項参照)。
5. 薬剤名等
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤
キニジン硫酸塩水和物、ベラパミル塩酸塩、エリスロマイシン、シクロスポリン
臨床症状・措置方法
〈下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制〉
本剤の血中濃度を上昇させ、出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、本剤15mg 1日1回に減量することを考慮すること。
機序・危険因子
P糖蛋白を阻害することに