。
(5) 排泄7)(外国人データ)
14C標識体10mgを単回経口投与した後、投与量の69.2%の放射活性が尿中に、22.5%が糞中に回収された。尿中では投与量の15%未満が未変化体として排泄され、17.8%がN -酸化体、8.9%が4R -水酸化-N -酸化体、そして8.3%が4R -水酸化体としてそれぞれ排泄された。
2. 高齢者3)
健康高齢者(65~75歳)にベシケア錠10mgを投与したときのCmax及びAUCは、非高齢者(21~34歳)と比べて1.5~1.8倍高く、t1/2は1.4~1.6倍に延長した。
3. 腎機能障害患者8)(外国人データ)
軽度(クレアチニンクリアランス50~80mL/min)から中等度(クレアチニンクリアランス30~49mL/min)の腎機能障害を持つ患者では、ベシケア錠10mg投与時のAUCは健康成人と比べてそれぞれ1.4倍及び1.3倍高かった。重度の腎機能障害 (クレアチニンクリアランス30mL/min未満)を持つ患者では、健康成人と比べてAUCが2.1倍高かった。
4. 肝機能障害患者9)(外国人データ)
中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を持つ患者では、ベシケア錠10mg投与時のAUCは健康成人と比べて1.6倍高く、t1/2は2倍に延長した。
5. 過活動膀胱患者10)
第II相試験において、母集団薬物動態解析により推定した過活動膀胱患者におけるCL/Fの母集団平均値は、男性が6.95L/h、女性が5.76L/hであった。母集団推定値から予想される10mg投与時の定常状態におけるAUC24hは、男性が1,085ng・h/mL、女性が1,309ng・h/mLであり、ベシケア錠を10mg投与したときの血漿中濃度は健康高齢者とほぼ同じと考えられた。
6. 相互作用11)12)(外国人データ)
ベシケア錠10mgをケトコナゾール200mg及び400mgと併用したとき、コハク酸ソリフェナシンのAUCinfは併用によりそれぞれ2倍及び2.8倍に上昇した。
7. QT間隔に対する影響13)(外国人データ)
ベシケア錠反復投与時のQT間隔に及ぼす影響を検討することを目的として、健康成人女性86例を対象に二重盲検比較対照試験を実施した。ベシケア錠10mg投与時の定常状態において、QT間隔の変化はプラセボと同程度であった。一方、ベシケア錠30mg投与時の定常状態、及びモキシフロキサシン400mgの単回投与時においてQT間隔の増加が認められた。(「薬物動態の表」表4参照)
8. 生物学的同等性
ヒトにベシケアOD錠及びベシケア錠を経口投与した場合、それぞれの剤形で血漿中未変化体濃度の推移はほぼ同じであり、生物学的に同等である1)14)。
薬物動態の表
表1
投与量 Cmax
(ng/mL) Tmax
(h) AUCinf
(ng・h/mL) t1/2
(h) CL/F
(L/h)
ベシケアOD錠5mg 7.35
±2.19 3.8
±1.2 380.43
±170.68 48.3
±18.2 12.68
±10.22
ベシケア錠5mg 7.46
±2.73 4.1
±1.2 358.23
±133.57 47.7
±11.6 14.88
±18.50
(平均値±標準偏差)
表2 単回投与時のパラメータ
投与量
(mg) 例数 Cmax
(ng/mL) Tmax
(h) AUCinf
(ng・h/mL) t1/2
(h) CL/F
(L/h)
5 12 6.54
±2.41 5.50
±1.17 314.57
±110.61 38.03
±7.48 13.68
±5.81
10 12 14.87
±3.41 5.67
±0.78 751.65
±255.96 40.28
±9.21 11.04
±3.46
20注) 12 25.94
±4.01 5.67
±1.15 1,191.59
±316.94 36.94
±8.51 13.57
±3.74
40注) 12 53.09
±9.18 5.33
±1.23 2,535.55
±613.92 40.55
±13.17 12.54
±2.89
80注) 12 100.31
±27.54 4.08
±1.78 4,144.65
±1,571.57 34.20
±4.79 16.43
±6.17
(平均値±標準偏差)
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は10mgである。
表3 反復投与時のパラメータ
対象 例数 Cmax
(ng/mL) Tmax
(h) AUC24h
(ng・h/mL) t1/2
(h) CL/F
(L/h)
非高齢男性 15 34.47
±11.12 3.9
±1.1 624.71
±226.48 44.0
±10.1 13.76
±5.20
非高齢女性 14 37.57
±18.31 5.2
±1.4