K(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ,これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意(1)」の項参照)。
2.
アナフィラキシー(頻度不明):ショック,アナフィラキシー(顔面浮腫,口唇の腫脹等)があらわれることがあるので観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投薬を中止し,適切な処置を行うこと。
3.
肝機能障害,黄疸(頻度不明):AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4.
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
精神神経系
頻度不明
傾眠,不眠,しびれ感
精神神経系
0.1%未満
頭痛,めまい
筋肉注1)
頻度不明
筋痙攣
筋肉注1)
0.1~5%未満
CK(CPK)上昇
筋肉注1)
0.1%未満
筋肉痛
消化器
頻度不明
胃潰瘍,胸やけ,口渇
消化器
0.1~5%未満
腹痛,嘔気
消化器
0.1%未満
食欲不振,嘔吐,腹部膨満感,下痢,口内炎,便秘
皮膚
頻度不明
光線過敏症
皮膚
0.1~5%未満
発疹
皮膚
0.1%未満
そう痒,蕁麻疹
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,LDH上昇
腎臓注2)
0.1~5%未満
BUN上昇,クレアチニン上昇
血液
頻度不明
血小板減少
血液
0.1~5%未満
貧血
血液
0.1%未満
白血球減少,血小板増加
その他
頻度不明
胆石,勃起不全,味覚異常,発熱,浮腫,頻尿
その他
0.1~5%未満
尿酸の上昇
その他
0.1%未満
低血糖,全身倦怠感,脱毛
注1)このような場合には減量又は休薬すること。
注2)既に腎機能障害のある患者においては症状が増悪することがあるので,このような場合には直ちに投薬を中止し,適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
1.
高齢者では,患者の合併症,既往歴,自・他覚症状などに留意し,少量から開始するなど投与量に十分注意すること。[肝・腎機能が低下していることが多く,また,体重が少ない傾向があるなど,副作用が発現しやすい。]
2.
腎機能については投与中も定期的に臨床検査等を行い,常に機能低下がないかどうかを確認し,異常が認められた場合には直ちに投薬を中止して,さらに腎機能悪化が進行しないよう適切な処置を行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。
3.
高齢者においてスルホニル尿素系血糖降下薬(グリベンクラミド)との併用により,冷汗,強い空腹感,動悸等の低血糖症状の発現が報告されているので注意すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
1. 服用時:本剤は徐放錠であるので,割ったり,砕いたりしないでそのまま服用させること。
2. 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
1.
外国では普通錠の1日600mg(分3)投与において,消化器症状等の副作用の発現頻度が比較的高いことが報告されている。
2.
ラットの24ヵ月間投与試験で,雄の高投与量群(123及び256mg/kg,臨床用量の20~40倍)において,精巣の間質細胞腫が認められた。ラットの雌及びマウスでは発癌性は認められていない。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与1)
健康成人男子10名にベザトールSR錠200mg1錠を単回投与した結果,最高血中濃度到達時間は4.5時間,最高血中濃度は3.5μg/mL,血中からの消失半減期は3.0時間であった。
図 ベザトールSR錠200mg服用後の血清中ベザフィブラート濃度推移
(2) 連続投与2)
健康成人男子6名にベザトールSR錠200mg1回1錠,1日2回,7日間連続投与した結果,投与2日後に定常状態となり安定した血中濃度が得られた。
2. 代謝3)
健康成人男子における試験では尿中に未変化体及び代謝物(グルクロン酸抱合体及び水酸化体)を認めたが,血清中はほとんど未変化体であった。
3. 排泄3)
健康成人男子にベザトールSR錠200mg2錠を単回投与した結果,48時間までに投与量の69.1%が尿中に排泄され,そのほとんどが24時間以内であった。
薬物動態の表
200mg錠単回投与時の速度論的パラメータ
(n=10:mean±S.E.)
Tmax
(hr) Cmax
(μg/mL) AUC
(μg・hr/mL) T1/2
(hr)
4.5±0.5 3.45±0.32 17.97±1.22 2.98±0.54