3.
肝障害又はその既往歴のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
4.
胆石又はその既往歴のある患者[胆石の形成がみられることがある。]
5.
抗凝血薬を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
6.
HMG-CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチンナトリウム,シンバスタチン,フルバスタチンナトリウム等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
7.
スルホニル尿素系血糖降下薬(グリベンクラミド,グリクラジド,グリメピリド等),ナテグリニド及びインスリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
8.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
本剤の適用にあたっては,次の点に十分留意すること。
1.
本剤投与中,急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症(「副作用(1)重大な副作用」の項参照)があらわれることがある。この症状は透析患者,腎不全などの重篤な腎機能障害を有する患者であらわれやすいため,これらの患者には投与しないこと。
2.
適用の前に十分な検査を実施し,高脂血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
3.
あらかじめ高脂血症の基本である食事療法を行い,更に運動療法や,高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
4.
投与中は血中脂質値を定期的に検査し,治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
相互作用
原則併用禁忌
(原則として併用しないこと)
薬剤名等
HMG-CoA還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム
シンバスタチン
フルバスタチンナトリウム 等
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には,本剤を少量から投与を開始するとともに,定期的に腎機能検査等を実施し,自覚症状(筋肉痛,脱力感)の発現,CK(CPK)の上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
機序・危険因子
本剤は主として腎臓を経て排泄されるため,腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では本剤の血中濃度が上昇しやすい。このような患者に本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用すると横紋筋融解症が発現しやすいので原則として併用しないこと。
原則併用禁忌に関する注意
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として併用しないこととするが,治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗凝血薬
ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
プロトロンビン時間を測定して抗凝血薬の量を調節すること。出血又はその傾向が認められた場合には,抗凝血薬あるいは全ての該当薬剤を減量又は中止すること。
機序・危険因子
本剤による抗凝血薬の作用部位の親和性の増加による抗凝血薬の作用増強が考えられる。
薬剤名等
HMG-CoA還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム
シンバスタチン
フルバスタチンナトリウム 等
臨床症状・措置方法
横紋筋融解症があらわれることがある(「副作用(1)重大な副作用」の項参照)。
機序・危険因子
機序不明
いずれも単独投与により横紋筋融解症が報告されている。
薬剤名等
フルバスタチンナトリウム
臨床症状・措置方法
フルバスタチンナトリウムの血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
フルバスタチンナトリウムの肝代謝が阻害され,初回通過効果が低下したものと考えられる。
薬剤名等
スルホニル尿素系血糖降下薬
グリベンクラミド
グリクラジド
グリメピリド 等
臨床症状・措置方法
冷汗,強い空腹感,動悸等の低血糖症状の発現が報告されているので,このような症状があらわれた場合には血糖降下薬の量を調節すること。
機序・危険因子
本剤とこれらの薬剤との血清アルブミン結合部位における競合により,これらの薬剤の血中遊離型濃度が上昇し血糖降下作用が増強されると考えられる。
<危険因子>
高齢者
薬剤名等
ナテグリニド
臨床症状・措置方法
冷汗,強い空腹感,動悸等の低血糖症状の発現が報告されているので,このような症状があらわれた場合には血糖降下薬の量を調節すること。
機序・危険因子
本剤とこれらの薬剤との血清アルブミン結合部位における競合により,これらの薬剤の血中遊離型濃度が上昇し血糖降下作用が増強されると考えられる。
<危険因子>
高齢者
薬剤名等
インスリン
臨床症状・措置方法
低血糖症状があらわれることがある。併用する場合には血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
インスリン感受性増強等の作用により,血糖降下作用を増強すると考えられる。
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
腎障害が報告されているので,腎機能検査値(クレアチニン,BUN等)の変動に十分注意すること。
機序・危険因子
腎障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
薬剤名等
陰イオン交換樹脂剤
コレスチラミン
臨床症状・措置方法
本剤の吸収が遅延又は減少する可能性があるため,併用する場合には,少なくとも2時間以上の間隔をあけて投与すること。
機序・危険因子
陰イオン交換樹脂剤の吸着作用によると考えられる。
*副作用
総症例数9894例中387例(3.91%),553件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。
その主な副作用は,CK(CPK)上昇101件(1.02%),AST(GOT)上昇53件(0.54%),ALT(GPT)上昇37件(0.37%),クレアチニン上昇35件(0.35%),BUN上昇34件(0.34%)等であった。〔再審査終了時〕
なお,以下の項には副作用発現頻度が算出できない自発報告を含む。
重大な副作用
1.
横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛,脱力感,C