る吸着、フルマゼニルの投与
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗けいれん作用が変化、遅延するおそれがある。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与試験1)
健康成人男性20例にフルニトラゼパム2mgを単回経口投与した時、未変化体の血漿中濃度は投与後45分で最高に達し、その時の血漿中濃度は22.2ng/mL、半減期は19.2時間であった。
(2) 反復投与試験2)
健康成人男性5例にフルニトラゼパム2mgを1日1回7日間連続経口投与した時、3~5日間後で定常状態に達し、その最高血中濃度は単回経口投与時の約1.3倍であった。
2. 尿中主要代謝物2)
健康成人男性5例にフルニトラゼパム4mg※を単回経口投与した時、72時間目までの尿中代謝物として7-amino-flunitrazepam、2-methyl-amino-5-nitro-2'-fluorobenzophenone及び3-hydroxy-flunitrazepamが検出された。
※承認された用量は1回0.5~2mgである(高齢者には1回1mgまで)
薬物動態の表
フルニトラゼパム2mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
tmax
(h) Cmax
(ng/mL) t1/2
(h) AUC0-72h
(ng・h/mL)
0.75*
(0.50-4.00) 22.2±6.50 19.2±4.38 213±37.2
平均±標準偏差
*tmaxは中央値(最小値-最大値),n=20
臨床成績
1. 不眠症3~5)
承認時までに実施された769例を対象とした一般臨床試験における有効率は67.8%(521例)であった。
また、精神神経科及び内科領域での不眠症を対象とした二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められた。
2. 麻酔前投薬3~5)
手術前夜の前投薬を対象とした二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められた。
薬効薬理
1. 睡眠作用6)
各種動物実験(マウス、ラット、ネコ、カニクイザル)において、他のベンゾジアゼピン系化合物と同様の薬理学的スペクトラム(静穏・馴化・睡眠誘起・睡眠増強・抗痙攣・筋弛緩作用等)を示したが、特に各種刺激によるネコ脳波覚醒反応を著明に抑制し、強力な睡眠作用が認められた。またカニクイザルを用いた試験においても睡眠作用が認められた。
2. ヒト終夜脳波試験7)
健康成人男性に本剤1mg及び2mgを経口投与したときの終夜脳波試験において、入眠潜時の短縮と全睡眠時間の延長が認められた。
3. 作用機序
抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして高い親和性で結合し、GABA親和性を増大させることにより、GABAニューロンの作用を特異的に増強すると考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
フルニトラゼパム(Flunitrazepam)
化学式
5-(2-Fluorophenyl)-1-methyl-7-nitro-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
構造式
分子式
C16H12FN3O3
分子量
313.28
性 状
白色~微黄色の結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸又はアセトンにやや溶けやすく、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融 点
168~172℃
包装
ロヒプノール錠1:100錠(PTP)
ロヒプノール錠1:500錠(バラ)
ロヒプノール錠1:1,000錠(PTP)
ロヒプノール錠2:100錠(PTP)
ロヒプノール錠2:500錠(バラ)
ロヒプノール錠2:1,000錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:健康成人男性を対象とした製剤間生物学的同等性試験 SIL-0567
2)
深沢英雄ら:臨床薬理 9:251,1978 SIL-0070
3)
伊藤 斉ら:臨床評価 9:733,1981 SIL-0094
4)
木村政資ら:医学のあゆみ 120:702,1982 SIL-0096
5)
山村秀夫ら:臨床と研究 58:2677,1981 SIL-0097
6)
矢島 孝ら:応用薬理 21:123,1981 SIL-0054
7)
小鳥居湛ら:臨床精神医学 9:621,1980 SIL-0057
文献請求先
**文献請求先・製品情報お問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
電話番号
0120-419-497
長期投与医薬品に関する情報
投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされています。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4‐6‐10