糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド:プレドニゾロン、トリアムシノロン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
ACTH:テトラコサクチド酢酸塩 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
甲状腺ホルモン:レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
成長ホルモン:ソマトロピン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン:エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
ニコチン酸 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド:メスタノロン 血糖降下作用の増強による低血糖症状(「副作用」の項参照)、又は減弱による高血糖症状(「重要な基本的注意」の項参照)があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 機序不明
ソマトスタチンアナログ製剤:オクトレオチド酢酸塩、ランレオチド酢酸塩 血糖降下作用の増強による低血糖症状(「副作用」の項参照)、又は減弱による高血糖症状(「重要な基本的注意」の項参照)があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
*,**成人:長期投与試験を含む臨床試験における安全性評価対象症例1098例(日本人725例)中、152例(13.8%)に229件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。日本人症例725例では93例(12.8%)に120件の副作用が認められた。全集団における主な副作用は、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪27例(2.5%)、重篤な低血糖22例(2.0%)、低血糖性意識消失15例(1.4%)及び体重増加15例(1.4%)であった(一変承認時)。
小児:臨床試験(主要期間26週間、延長期間26週間)における安全性評価対象症例174例(1~18歳)(日本人23例)中、47例(27.0%)に112件の副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。日本人症例23例では9例(39.1%)に19件の副作用が認められた。全集団における主な副作用は、注射部位反応9例(5.2%)、血中ケトン体増加7例(4.0%)及び重篤な低血糖5例(2.9%)であった(小児用法用量承認時)。
重大な副作用
1. 低血糖
低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛