措置方法
併用時、本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をドキソルビシンの後に投与すること。
機序・危険因子
本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、ドキソルビシンのクリアランスが低下し、ドキソルビシンの血中濃度が上昇する。
7. 薬剤名等
ドキソルビシン塩酸塩
臨床症状・措置方法
併用により心毒性が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
胆汁排泄の競合により、ドキソルビシン及びその代謝物であるドキソルビシノールの血中濃度が上昇する。
8. 薬剤名等
ビタミンA、アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン等)、ステロイド系ホルモン剤(エチニルエストラジオール等)、ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー(ニフェジピン等)、シクロスポリン、ベラパミル塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、ミダゾラム、フェナセチン、ラパチニブトシル酸塩水和物
臨床症状・措置方法
併用により骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
併用薬剤がP450-CYP2C8、CYP3A4等を阻害し、パクリタキセルの代謝が阻害され、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。
9. 薬剤名等
N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質:セフメノキシム塩酸塩、セフォペラゾンナトリウム、セフブペラゾンナトリウム、セフミノクスナトリウム水和物、セフメタゾールナトリウム、ラタモキセフナトリウム
メトロニダゾール
臨床症状・措置方法
これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等)を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤はエタノールを含有しているため。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー様症状
(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 白血球減少等の骨髄抑制
(頻度不明)
白血球減少、好中球減少、貧血(ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、赤血球減少等)、血小板減少、汎血球減少等があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、骨髄抑制の持続により、感染症(尿路感染、上気道感染、敗血症、帯状疱疹、肺炎等)の併発が報告されている。
3. 末梢神経障害、麻痺
(頻度不明)
しびれ等の末梢神経障害、麻痺、片麻痺、不全麻痺があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。
4. 間質性肺炎、肺線維症
(頻度不明)
間質性肺炎、肺線維症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5. 急性呼吸窮迫症候群
(頻度不明)
急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 心筋梗塞、うっ血性心不全、心伝導障害、肺塞栓、血栓性静脈炎、脳卒中、肺水腫
(頻度不明)
心筋梗塞、うっ血性心不全、心伝導障害、肺塞栓、血栓性静脈炎、脳卒中、肺 水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
7. 難聴、耳鳴
(頻度不明)
難聴、耳鳴があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
8. 消化管壊死、消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍
(頻度不明)
消化管壊死、消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9. 重篤な腸炎
(頻度不明)
出血性大腸炎、偽膜性大腸炎、虚血性大腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 腸管閉塞、腸管麻痺
(頻度不明)
腸管閉塞、腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管閉塞、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置を行うこと。
11. 肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
12. 膵炎
(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
13. 急性腎不全
(頻度不明)
急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
14. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
15. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
(頻度不明)
播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
16. 腫瘍崩壊症候群
(頻度不明)
腫瘍