5. アルコールに過敏な患者
[本剤は溶剤として無水エタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがあるので、本剤を投与する場合には問診により適切かどうか判断すること。]
6. 間質性肺炎又は肺線維症のある患者
[症状を増悪させるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。A法では、白血球及び好中球減少の最低値までの期間(中央値)はそれぞれ投与開始後11日後、13日後にあらわれ、最低値発現日から白血球、好中球ともに7日間(中央値)で回復した。また、B法では、白血球及び好中球減少の最低値までの期間(中央値)はともに投与開始後22日後にあらわれ、最低値発現日から白血球、好中球はそれぞれ14日間(中央値)、13日間(中央値)で回復した。なお、白血球減少が軽度であっても著明な好中球減少を発現する症例を認めていることから、血液検査の際には、白血球分画の測定を実施すること。また、本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。
2.
重篤な過敏反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、重篤な過敏症状(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等)があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
3.
低血圧、高血圧、徐脈等が起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な刺激伝導障害があらわれた場合には、適切な処置を行い、その後の本剤投与に際しては継続的に心電図のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
4.
関節痛及び筋肉痛が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には鎮痛剤投与等の適切な処置を行うこと。症状は一般に、投与開始後2、3日後にあらわれ、また、早期のクール(1~3クール目)より発現する傾向にあるので、十分注意すること。
5.
発熱が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には感染に対する管理を十分に行い、解熱剤投与等の適切な処置を行うこと。発熱は一般に、投与開始後約6~10日後にあらわれ、また、1クール目の発現頻度が高い傾向にあるので、十分注意すること。
6.
末梢神経障害が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状(しびれ等)があらわれた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。症状は一般に、投与開始後約3~5日後にあらわれ、また、使用が長期間にわたると発現頻度が高くなる傾向にあるので、投与は慎重に行うこと。
[〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
7.
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
8.
投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。
9.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
10.
本剤は無水エタノールを含有するため、前投薬で投与されるジフェンヒドラミン塩酸塩錠とアルコールの相互作用による中枢神経抑制作用の増強の可能性があるので、本剤投与後の患者の経過を観察し、アルコール等の影響が疑われる場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
11.
**頭頸部癌、食道癌、血管肉腫、子宮頸癌、卵巣癌(C法)、胚細胞腫瘍、胃癌(E法)に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」1)~7)等)を熟読すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
ジスルフィラム
シアナミド
カルモフール
プロカルバジン塩酸塩
臨床症状・措置方法
これらの薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤はエタノールを含有しているため。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
放射線照射
臨床症状・措置方法
胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告がある。併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序は不明であるが、動物試験(マウス)で本剤による放射線感受性増加が認められている。
2. 薬剤名等
放射線照射
臨床症状・措置方法
骨髄抑制等を増強することがあるので、併用する場合には、患者の状態を観察しながら、本剤を減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している。
3. 薬剤名等
抗悪性腫瘍剤
臨床症状・措置方法
併用により骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している。
4. 薬剤名等
シスプラチン
臨床症状・措置方法
併用時、本剤をシスプラチンの後に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をシスプラチンの前に投与すること。
機序・危険因子
本剤をシスプラチンの後に投与した場合、パクリタキセルのクリアランスが低下し、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。
5. 薬剤名等
シスプラチン
臨床症状・措置方法
併用により末梢神経障害が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
機序・危険因子
末梢神経障害が予想される副作用として重複している。
6. 薬剤名等
ドキソルビシン塩酸塩
臨床症状・