試験及びマウスを用いた小核試験において、いずれも陽性の結果が報告されている。
臨床成績
◇尿路上皮癌
腫瘍縮小効果及び生存期間
外国で実施された局所進行又は遠隔転移を有する尿路上皮癌の化学療法初回治療例(Stage IV)に対して、ゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンとの併用投与(GC療法;4 週間を1 コースとして、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目及び15日目に、シスプラチン70mg/m2を2日目に投与)をM-VAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩及びシスプラチン併用療法)と比較した第III相試験において、GC群203例、M-VAC群202例が割り付けられ、得られた結果は以下のとおりであった。(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)
(表1参照)
◇手術不能又は再発乳癌
腫瘍縮小効果及び生存期間
外国で実施された術前又は術後にアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を投与された切除不能、局所再発又は転移性乳癌患者を対象注)にゲムシタビン塩酸塩とパクリタキセルとの併用投与(GT群:3週を1コースとして、1日目にゲムシタビン1250mg/m2及びパクリタキセル175mg/m2を投与し、8 日目にゲムシタビン1250mg/m2を投与)をパクリタキセル単独投与(T群:3週を1コースとして、1 日目にパクリタキセル175mg/m2を投与)と比較した第III相試験を実施した。その結果は以下のとおりであった。(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)
注)臨床的にアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬の使用が禁忌で他の1レジメンの化学療法剤による術前・術後補助化学療法後の手術不能又は再発乳癌患者も対象患者に含まれている。
(表2参照)
臨床成績の表
表1
GC群 M-VAC群 HR(95%CI) p値
生存期間中央値 12.8ヵ月 14.8ヵ月 1.08(0.84 -1.40) 0.55※1
腫瘍増大までの期間中央値 7.4ヵ月 7.6ヵ月 1.02(0.82 -1.28) 0.84※1
奏効率(例数) 49.4%
(81/164例) 45.7%
(69/151例) - 0.51※2
※1:log-rank検定,※2:カイ2乗検定
表2
GT群 T群 HR(95%CI) p値
生存期間 18.6ヵ月※1 15.8ヵ月※1 0.817(0.667-1.000) 0.0489※2
無増悪生存期間 5.3ヵ月※1 3.4ヵ月※1 0.74(0.62-0.88) 0.0008※2
奏効率 41.4%
(110/266) 26.2%
(69/263) 奏効率の差※3:15.1%
(95%CI:7.1-23.2)
※1中央値、※2 log-rank検定、※3 奏効率の差:GT群-T群
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
ゲムシタビン塩酸塩(Gemcitabine Hydrochloride)(JAN)
略号
GEM
化学名
(+)-2´-Deoxy-2´,2´-difluorocytidine monohydrochloride
分子式
C9H11F2N3O4・HCl
分子量
299.66
融点
約237℃(分解)
性状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水にやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
安定性試験1)
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3 年間)の結果、ゲムシタビン点滴静注用200mg「タイホウ」及びゲムシタビン点滴静注用1g「タイホウ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
承認条件
膵癌に対する本剤の国内における臨床的有効性及び安全性をより明確にすることを目的として、国内で適切な市販後臨床試験を行い、その結果を含めた市販後調査結果を報告すること。
包装
ゲムシタビン点滴静注用200mg「タイホウ」:1バイアル
ゲムシタビン点滴静注用1g「タイホウ」:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
坂部倫男 他:ゲムシタビン点滴静注用200mg「タイホウ」及びゲムシタビン点滴静注用1g「タイホウ」の安定性試験(長期保存試験及び加速試験),社内資料,研究報告書No.367(2011)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大鵬薬品工業株式会社
メディカルアフェアーズ本部 MA部 医薬品情報課
〒101-8444 東京都千代田区神田錦町1-27
TEL 0120-20-4527
FAX 03-3293-2451
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
大鵬薬品工業株式会社
東京都千代田区神田錦町1-27