場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。なお、高度な白血球減少に起因したと考えられる敗血症による死亡例が報告されている。
2. 間質性肺炎:
間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。
3. *アナフィラキシー:
呼吸困難、血圧低下、発疹等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 心筋梗塞:
心筋梗塞がみられることがある。
5. うっ血性心不全:
うっ血性心不全があらわれることがある。
6. 肺水腫:
肺水腫があらわれることがある。
7. 気管支痙攣:
気管支痙攣があらわれることがある。
8. 成人呼吸促迫症候群(ARDS):
成人呼吸促迫症候群(ARDS)があらわれることがある。
9. 腎不全:
腎不全があらわれることがある。
10. 溶血性尿毒症症候群:
溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、血小板減少、ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、LDH上昇を伴う急速なヘモグロビン減少等の微小血管症性溶血性貧血の兆候が認められた場合には、投与を中止すること。腎不全は投与中止によっても不可逆的であり、透析療法が必要となることもある。
11. 皮膚障害:
重篤な皮膚障害(紅斑、水疱、落屑等)があらわれることがある。
12. 肝機能障害、黄疸:
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等の重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
13. *白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、高血圧、痙攣、頭痛、視覚異常、意識障害等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、臨床所見等の重篤度に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
1. 循環器
頻度不明
頻脈、血圧上昇、血圧低下、狭心痛、動悸、心室性期外収縮、発作性上室頻拍、心電図異常(ST上昇)
2. 呼吸器
頻度不明
呼吸困難、高炭酸ガス血症、低酸素血、咳嗽、PIE(肺好酸球浸潤)症候群、喘鳴、喀痰、息切れ
3. 腎臓
頻度不明
総蛋白低下、電解質異常、アルブミン低下、BUN上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニン上昇、乏尿
4. 消化器
頻度不明
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘、口内炎、胃部不快感、歯肉炎
5. 肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、A/G比低下、γ-GTP上昇、ウロビリン尿
6. 精神神経系
頻度不明
頭痛、めまい、不眠、知覚異常、嗜眠、しびれ
7. 皮膚
頻度不明
発疹、脱毛、そう痒感、蕁麻疹
8. 注射部位
頻度不明
注射部位反応(静脈炎、疼痛、紅斑)
9. 血管障害
頻度不明
末梢性血管炎、末梢性壊疽
10. その他
頻度不明
疲労感、発熱、インフルエンザ様症状(倦怠感、無力症、発熱、頭痛、悪寒、筋痛、発汗、鼻炎等)、放射線照射リコール反応、血小板増加、体重減少、尿糖陽性、好酸球増多、関節痛、悪寒、味覚異常、鼻出血、倦怠感、浮腫、CRP上昇、体重増加、疼痛、ほてり、胸部不快感、眼底出血、体温低下、耳鳴り、眼脂、無力症、顔面浮腫
尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時の安全性情報
外国で実施されたゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンとの併用投与による、尿路上皮癌の化学療法初回治療例に対する第III相試験において203例が割り付けられ、これらの症例に認められた有害事象は以下のとおりであった。(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)
項目 グレード3
(%) グレード4
(%)
血液毒性
貧血 23.5 3.5
血小板減少 28.5 28.5
好中球減少 41.2 29.9
非血液毒性
粘膜炎 1.0 0
悪心/嘔吐 22.0 0
脱毛 10.5 0
感染 2.0 0.5
下痢 3.0 0
肺毒性 2.5 0.5
血尿 4.5 0
便秘 1.5 0
出血 2.0 0
意識状態異常
(State of consciousness) 0.5 0
注)WHO毒性基準により判定し、いずれかの投与群において2%を超えた事象のみ記載。
高齢者への投与
高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、骨髄抑制等の副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立されていない。[使用経験がない。]
適用上の注意
1.
30分間で点滴静脈内投与し、皮下、筋肉内には投与しないこと。
2.
溶解後は速やかに投与すること。溶液を冷蔵庫に保存すると結晶が析出することがあるので、保存する場合でも室温(15~30℃)で保存し、24時間以内に使用すること。溶解した残液は使用しないこと。
3.
皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石けんでよく洗浄し、粘膜に付着した場合は直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
その他の注意
変異原性試験のうち、マウスリンフォーマ細胞を用いたin vitro 遺伝子突然変異