sp; 1回投与量(力価)
発熱性好中球減少症
難治性又は重症感染症1) 投与間隔
>50 mL/min 1g 2g 12時間毎
30~50 mL/min 0.5g 1g 12時間毎
10~30 mL/min 0.5g 0.5g 12時間毎
<10 mL/min 0.5g 0.5g 24時間毎
血液透析2) 0.5g 0.5g 24時間毎
1. 1日量4g(力価)投与が必要な場合。
2. 血液透析により本剤の血中濃度が低下するので,本剤の投与は透析後に行うことが望ましい。
臨床成績
1.
臨床試験の有効性解析対象例数は1,556例であり,この成績の概要は次のとおりである。また,慢性気道感染症,細菌性肺炎,複雑性尿路感染症を対象とした比較試験により本剤の有用性が認められている14)。
(1) 敗血症
ブドウ球菌属,レンサ球菌属,シュードモナス属による敗血症に対する有効率は66.7%(4/6)であった。
(2) 浅在性化膿性疾患
ブドウ球菌属,バクテロイデス属等による蜂巣炎,肛門周囲膿瘍の浅在性化膿性疾患に対する有効率は96.8%(30/31)であった。
(3) 外傷創感染,熱傷創感染,手術創感染
ブドウ球菌属,シュードモナス属等による外傷創感染,熱傷創感染及び手術創感染に対する有効率は83.3%(45/54)であった。
(4) 呼吸器感染症
ブドウ球菌属,レンサ球菌属,クレブシエラ属,インフルエンザ菌,緑膿菌等による扁桃周囲膿瘍,慢性気管支炎,気管支拡張症(感染時),慢性呼吸器疾患の二次感染,肺炎及び肺化膿症に対する有効率は81.4%(373/458)であった。
(5) 尿路感染症
ブドウ球菌属,大腸菌,エンテロバクター属,セラチア属,シュードモナス属等による腎盂腎炎,複雑性膀胱炎及び前立腺炎に対する有効率は72.7%(420/578)であった。
(6) 胆道感染症
大腸菌,シトロバクター属等による胆のう炎及び胆管炎に対する有効率は94.1%(32/34)であった。
(7) 腹膜炎,骨盤腹膜炎,ダグラス窩膿瘍
大腸菌,シュードモナス属,バクテロイデス属等による腹膜炎,骨盤腹膜炎及びダグラス窩膿瘍に対する有効率は83.5%(76/91)であった。
(8) 婦人科領域感染症
ブドウ球菌属,大腸菌,ペプトストレプトコッカス属等による子宮内感染,骨盤死腔炎及び子宮旁結合織炎に対する有効率は91.5%(54/59)であった。
(9) 耳鼻科領域感染症
ブドウ球菌属,肺炎球菌,シュードモナス属等による中耳炎及び副鼻腔炎に対する有効率は73.7%(56/76)であった。
2. 発熱性好中球減少症(国内成績)
主に血液腫瘍患者の発熱性好中球減少症に対して本剤(1~2gを12時間毎)単独又はアミノグリコシド系薬剤との併用投与を行ったところ,少なくとも3日以内に1℃以上熱が下がりかつ7日以内に解熱したことを有効性評価の基準とした本剤単独投与の有効率は71%(27/38),併用投与の有効率は59%(45/76)であった15)。(注)発熱性好中球減少症に対する承認用量は1日4gを2回に分割である。
薬効薬理
1. 抗菌作用16)~24)
(1) in vitro抗菌力
1)
グラム陽性菌,陰性菌及び嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有する。特に,グラム陽性菌ではブドウ球菌属,レンサ球菌属に対して優れた抗菌力を示す。グラム陰性菌では大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,プロテウス属,インフルエンザ菌及びブランハメラ・カタラーリスに対して強い抗菌力を示し,またセラチア属,シュードモナス属,アシネトバクター属に対しても優れた抗菌力が認められている。
2)
各種細菌の産生する染色体性のβ-ラクタマーゼに対し安定で,これらの酵素を産生する菌株に対しても強い抗菌力を示し,耐性菌も出現しにくい。
(2) in vivo抗菌力
マウスを用いた各種感染モデル実験において,in vitroの抗菌力を反映した優れた感染防御効果が得られている。
2. 作用機序16),18),21)
作用機序は細菌の細胞壁合成阻害により強い殺菌作用を示す。大腸菌ではペニシリン結合タンパクのうち,特にPBP 1Bs,2及び3に親和性が高く,黄色ブドウ球菌ではPBP 1及び2に親和性が高い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
セフェピム塩酸塩水和物(Cefepime Dihydrochloride Hydrate)
化学名:
(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(1-methylpyrrolidinium-1-ylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate dihydrochloride monohydrate
略号:
CFPM
分子式:
C19H24N6O5S2・2HCl・H2O
分子量:
571.50
構造式:
性状:
本品は白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は水又はメタノールに溶けやすく,エタノール(95)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
包装
注射用マキシピーム0.5g:0.5g(力価)1バイアル×10
注射用マキシピーム1g:1g(力価)1バイアル×10
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
中島光好ほか:Chemotherapy,39(S-2),104(1991)
2)
齋藤 玲ほか:Chemotherapy,39(S-2),117(1991)
3)
鶴丸浩士ほか:Chemotherapy,39(S-2),326(1991)
4)
宮本直哉ほか:耳鼻と臨床,37(3),649(1991)
5)
佐藤るり子ほか:Chemotherapy,39(S-2),127(1991)
6)
森本 健ほか:Jap.J.Antibiotics,44(7),736(1991)
7)
笠野泰生ほか:Chemotherapy,39(S-2),301(1991)
8)
秋山尚範ほか:Chemotherapy,39(S-2),332(1991)
9)
伊藤邦彦ほか:Chemotherapy,3