ので,併用に注意する。
機序・危険因子
本剤の非選択的β受容体遮断効果によりこれらβ2受容体刺激薬の作用を減弱させる。
7. 薬剤名等
強心配糖体(ジゴキシン等)
臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血中濃度を変化させないが,併用投与で催不整脈作用の誘因となるおそれがあるので,併用に注意する。
機序・危険因子
強心配糖体が心室自動能を亢進させるため,本剤の副作用(催不整脈作用)発現の誘因となる。
8. 薬剤名等
レセルピン,グアネチジン
臨床症状・措置方法
交感神経の緊張を低下させ,過度の低血圧又は徐脈を引き起こすことがあるので,減量するなど注意する。
機序・危険因子
相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
9. 薬剤名等
クロニジン塩酸塩
臨床症状・措置方法
併用している患者においてクロニジン投与を中止するとリバウンドにより血圧上昇を増強するおそれがあるので,減量するなど注意する。
機序・危険因子
クロニジンはα2受容体に選択的に作用し,ノルエピネフリンの遊離を抑制しているため,急激な中止によって血中カテコールアミンの上昇が起こる。この時,β受容体遮断薬を併用すると上昇したカテコールアミンの作用のうち,β受容体刺激作用が遮断され,α受容体刺激作用だけが残り,急激な血圧上昇が起こる。
10. 薬剤名等
インスリン及び経口血糖降下薬
臨床症状・措置方法
本剤投与中に高血糖があらわれることがあるので,インスリン及び経口血糖降下薬を併用投与する場合は,これらの薬剤の用量の調整が必要になることがある。また,低血糖の諸症状がマスクされることがあるので,併用する場合には注意する。
機序・危険因子
患者によっては本剤のβ遮断作用により高血糖があらわれることがある。また,インスリンによる低血糖に伴う交感神経系の諸症状(頻脈等)を本剤がマスクする。
11. 薬剤名等
麻酔薬
臨床症状・措置方法
本剤投与中の患者に使用する場合,重度の低血圧の持続,心臓の正常な律動への回復又は維持が困難になるおそれがあるので,併用する場合には注意する。
機序・危険因子
本剤の作用(血圧降下作用)を増強させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
〈承認時〉
国内の臨床試験において評価対象152例中32例(21.1%),40件に副作用が認められ,投与中止例は12例であった。副作用の種類別発現頻度は,徐脈,心不全等の循環器症状(10.5%),頭痛,立ちくらみ等の精神神経症状(7.2%),嘔気等の消化器系症状(3.9%),全身倦怠感,易疲労感等その他(4.6%)であった。臨床検査値異常については,中性脂肪(7.8%),AST(GOT)(2.7%),ALT(GPT)(3.4%),γ-GTP(1.4%),ALP(1.4%),LDH(1.4%),BUN(0.7%),尿酸(3.5%),CK(CPK)(1.8%)の上昇等であった。
*〈再審査終了時〉
市販後の使用成績調査において副作用及び臨床検査値異常の発現頻度は,11.5%(133/1,154例)であり,主なものは,徐脈1.6%,心不全1.4%,心室性頻脈1.1%,洞性徐脈0.6%,心電図QT延長0.6%,肝機能異常0.5%であった。
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は,承認までの国内臨床試験及び使用成績調査計1,306例に基づく。国内自発報告及び海外で認められている副作用については頻度不明とした。
重大な副作用
*心室細動,心室頻拍,Torsades de pointes,洞停止,完全房室ブロック,心不全,心拡大:本剤の催不整脈作用による心室細動(0.2%)あるいは心室頻拍(1.0%),Torsades de pointes(0.2%),洞停止(0.3%),完全房室ブロック(0.1%),心不全(1.3%),心拡大(0.2%)の症状があらわれることがあるので,定期的に心電図検査及び胸部レントゲン検査又は心エコー検査を行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心室細動,心室頻拍又はTorsades de pointesの場合には下記の処置法を考慮)。
直流除細動,経静脈ペーシング,エピネフリンの投与,硫酸マグネシウムの投与
その他の副作用
下記のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 呼吸器
0.1~3%未満
労作時の息切れ
2. *呼吸器
0.1%未満
喘息
3. *呼吸器
頻度不明
呼吸困難
4. *循環器
0.1~3%未満
徐脈,QT時間延長,低血圧,動悸
5. *循環器
0.1%未満
胸水貯留,浮腫
6. *循環器
頻度不明
胸痛,心電図異常,失神
7. *肝臓
0.1~3%未満
中性脂肪上昇,肝機能異常,AST(GOT)増加,ALT(GPT)増加,γ-GTP増加,LDH 増加,ALP増加
8. *肝臓
0.1%未満
アルブミン低下,総蛋白量減少
9. 消化器
0.1~3%未満
悪心
10. *消化器
0.1%未満
腹痛,下痢
11. *消化器
頻度不明
嘔吐,消化不良,鼓腸放屁
12. 精神神経系
0.1~3%未満
めまい,頭痛,立ちくらみ,傾眠傾向
13. *精神神経系
0.1%未満
意識レベル低下,頭重感,頭部拍動感
14. *精神神経系
頻度不明
無力症,睡眠障害,抑うつ,感覚異常,不安
15. *感覚器
頻度不明
視覚障害,味覚異常
16. 皮膚
0.1~3%未満
発疹
17. *皮膚
0.1%未満
脱毛
18. 腎臓
0.1~3%未満
尿酸上昇,BUN上昇
19. 血液
0.1~3%未満
白血球分画異常(好中球減少,リンパ球増加,好酸球増加)
20. *血液
0.1%未満
赤血球数減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少
21. *電解質
0.1%未満
血清カリウム増加, 血清マグネシウム増加
22. その他
0.1~3%未満
全