)、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法
(鼻茸内注射)
○副鼻腔炎・鼻茸
(喉頭・気管注入)
○喉頭炎・喉頭浮腫、喉頭ポリープ・結節、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法
(中耳腔内注入)
○急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法
(耳管内注入)
○滲出性中耳炎・耳管狭窄症
(食道注入)
○食道の炎症(腐しょく性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法
(注)★:外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。
用法及び用量
(関節腔内注射、軟組織内注射、腱しょう内注射、滑液のう内注入)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回2~40mgを関節腔内、軟組織内、腱しょう内及び滑液のう内にそれぞれ、注射又は注入する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(局所皮内注射)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回0.2~1mg宛10mgまでを週1回局所皮内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(ネブライザー)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回2~10mgを1日1~3回ネブライザーで投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(鼻腔内注入、副鼻腔内注入、喉頭・気管注入、中耳腔内注入、耳管内注入)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回2~10mgを1日1~3回鼻腔内、副鼻腔内、喉頭あるいは気管、中耳腔内及び耳管内に注入する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(鼻甲介内注射、鼻茸内注射)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回2~40mgを鼻甲介内及び鼻茸内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(食道注入)
トリアムシノロンアセトニドとして、通常成人1回2mgを食道に注入する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
感染症の患者[免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]
2.
糖尿病の患者[糖新生促進作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。]
3.
骨粗鬆症の患者[骨形成抑制作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。]
4.
腎不全の患者[症状が増悪するおそれがある。]
5.
甲状腺機能低下のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
6.
肝硬変の患者[脂質代謝に影響し、肝硬変が増悪するおそれがある。また慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。]
7.
脂肪肝の患者[脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。]
8.
脂肪塞栓症の患者[脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。]
9.
重症筋無力症の患者[使用当初、一時症状が増悪することがある。]
10.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
(1)
投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には、局所療法を行うこと。
(2)
投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
(3)
連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。
2.
本剤を含む副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので、薬物、食物、添加物等に過敏な喘息患者には特に注意が必要である。
3.
特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
(1)
本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
(2)
水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
(3)
水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
4.
副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはP-450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
2. 薬剤名等
サリチル酸誘導体
アスピリン
アスピリンダイアルミネート
サザピリン等
臨床症状・措置方法
併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤は、サリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
3. 薬剤名等
抗凝血剤
ワルファリンカリウム等