する。
小児に対しては病巣の大きさにより適宜減量して投与する。
本剤は1回の局所注射又は注入で効果がみられる場合もあるが、数回の注射又は注入を要することもある。なお、効果持続は症状により異なり、また、投与回数を重ねるにつれて延長する傾向があるので症状が再発したときに投与を繰り返すこと。
関節腔内注射の場合、関節に多量の関節貯留液があると薬剤がうすめられて効果が減弱するので、穿刺により十分排除すること。
本剤は関節腔外へ誤って注射又は注入すると、全身作用を及ぼすと同時に局所への効果が減弱するので、留意すること。
腱炎、腱しょう炎、腱周囲炎などで腱しょう内に注射するときは、腱組織へ入らぬように投与する。
5.
本剤は水性懸濁注射液のため比較的太目の注射針25G(1/3)、23G(1/2)を使用すること。
その他の注意
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
薬物動態
1. 血中濃度1)
肝及び腎機能に異常のない、乳癌患者5例にトリアムシノロンアセトニド40mg及び3H-トリアムシノロンアセトニドを筋肉内投与した時の血中濃度は、5例の平均値では3時間後が最高濃度で51.7μg/100mLを示し、以後6日目には15.2μg/100mLまで漸減し、7日目より14日目まではほぼ同程度の濃度が得られ、有効血中濃度は14~21日間持続する。(次図)
2. 排泄1)
3H-トリアムシノロンアセトニド及びトリアムシノロンアセトニド40mgを筋注した乳癌患者4例の尿中排泄では、投与量の12.5%が第1日目に尿中に排泄され、その後の排泄は極めて少なく7日間で16.5%が排泄されたにすぎない。
薬効薬理
トリアムシノロンアセトニドは糖質代謝作用、抗炎症、抗アレルギー作用が強く、しかも鉱質代謝作用が弱いためナトリウム、水分の体内貯留に基づく浮腫などが少ないという特長を有する。コルチコイド活性に関する動物実験(ラット)から抗炎症作用、胸腺退縮作用、肝グリコーゲン貯留作用が明らかにされている。また、副腎摘出ラットの延命効果、作用の持続時間、皮膚透過性においても優れている。2)~5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
トリアムシノロンアセトニド
(Triamcinolone Acetonide)
化学名:
9-Fluoro-11β,21-dihydroxy-16α,17-(1-methylethylidenedioxy)pregna-1,4-diene-3,20-dione
構造式:
分子式:
C24H31FO6
分子量:
434.50
性状:
トリアムシノロンアセトニドは白色の結晶性の粉末で、においはない。エタノール(99.5)、アセトン又は1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
取扱い上の注意
製品を10℃以下で保存すると注射液中に凝集が発生することが報告されている。凍結した製品や冷所で保存された製品は使用しないこと。
包装
ケナコルト-A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL:1mL×10バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Kusama,et al.:Metabolism 20(6),590(1971)
2)
勝 正孝他:新薬と臨牀,15,15(1966)
3)
Ringler,I.,et al.:Proc.Soc.Exp.Biol.Med.102,628(1959)
4)
Lerner,L.J.,et al.:Ann.N.Y.Acad.Sci.116,1071(1964)
5)
Lerner,L.J.:Clin.Med.73(10),53(1966)
文献請求先
*ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 メディカル情報部
(住所)東京都新宿区西新宿6-5-1
(TEL)0120-093-507
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
*製造販売元
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
東京都新宿区西新宿6-5-1