2539;危険因子
これらの薬剤が本剤の代謝を抑制すると考えられる。
11. 薬剤名等
成長ホルモン
ソマトロピン
臨床症状・措置方法
成長ホルモンの成長促進作用が抑制されるおそれがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
糖質コルチコイドが成長抑制効果を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
(1) 誘発感染症、感染症の増悪
誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(2) 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病
(3) 消化性潰瘍、膵炎
(4) 精神変調、うつ状態、痙攣
(5) 骨粗鬆症、大たい骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー
(6) 緑内障、後のう白内障
連用により眼内圧亢進、緑内障、後のう白内障を来すことがあるので、定期的に検査することが望ましい。
(7) 血栓症
(8) ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(9) 喘息発作の増悪
気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので、十分注意すること。
(10) 失明、視力障害
頭頸部(頭皮、鼻内等)への注射により、網膜動脈閉塞が生じ、失明、視力障害があらわれたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(11) 腱断裂
腱しょう内への繰り返し注射により、腱断裂があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
1. 内分泌
頻度不明
月経異常
2. 消化器
頻度不明
下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進
3. 精神神経系
頻度不明
多幸症、不眠、頭痛、めまい
4. 筋・骨格
頻度不明
筋肉痛、関節痛
5. 投与部位
頻度不明
関節腔内投与時
関節の不安定化注1)、疼痛・腫脹・圧痛の増悪、結晶誘発性滑膜炎注2)
筋肉内投与時
局所組織の萎縮による陥没
6. 脂質・蛋白質代謝
頻度不明
満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
7. 体液・電解質
頻度不明
浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
8. 眼
頻度不明
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
9. 血液
頻度不明
白血球増多
10. 皮膚
頻度不明
ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、色素脱失、脂肪織炎
11. その他
頻度不明
発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減
注1)症状があらわれた場合には投与を中止すること。これらの症状は投与直後に患部を強く動かすと起こりやすいとされているので、投与後は患者をしばらく安静にさせること。
注2)関節腔内投与時の投与部位に疼痛・腫脹等があらわれることがある。注射液中の粒子の凝集が関節腔内投与時の疼痛・腫脹等を誘発するおそれがある(【取扱い上の注意】の項参照)。
高齢者への投与
高齢者に長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後のう白内障、緑内障等の副作用があらわれやすいので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。]
2.
本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することがある。]
小児等への投与
1.
小児等の発育抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
2.
長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
3.
小児等では、特に投与部位の組織の萎縮(陥没)を起こしやすいので、筋肉内投与はなるべく避けること。
4.
低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。]
適用上の注意
1.
本剤は用法・用量にしたがって使用し、静脈内注射、脊髄腔内注射、硬膜外注射、眼科用に使用しないこと。
2.
使用時にはよく振り混ぜ、均一な懸濁液として用いること。
3.
筋肉内注射にあたっては、組織神経などへの影響を避けるため下記の点に配慮すること。
(1)
注射部位をもまないように患者に指導すること。
(2)
神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
(3)
繰り返し注射する場合には同一注射部位を避けること。なお、乳幼児にはなるべく投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する必要がある場合には慎重に投与すること。
4.
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
全身療法:筋注の部位は臀筋が適する。投与間隔は症例により異なるので、症例毎に症状の再発する最少期間を選んで投与する。維持量についても症状の軽重により適宜増減する。
小児に対しては年齢、体重、症状によりなるべく必要最少量で治療すること。
局所療法:局所(関節腔内、軟組織内、腱しょう内、滑液のう内、鼻腔内、副鼻腔内、鼻甲介内、鼻茸内、喉頭・気管、中耳腔内、耳管内又は食道)に注射又は注入