とがある。]
10.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
(1)
投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には、局所療法を行うこと。
(2)
投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
(3)
連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。
2.
本剤を含む副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので、薬物、食物、添加物等に過敏な喘息患者には特に注意が必要である。
3.
特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。
(1)
本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
(2)
水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
(3)
水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
4.
副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
5.
強皮症患者における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤投与患者で高いとの報告がある。本剤を強皮症患者に投与する場合は、血圧及び腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
6.
筋肉内注射時には、注射液が脂肪層に逆流し、萎縮による皮膚陥没を起こすことがある。患者に対して、このことをあらかじめ説明するとともに、注射部位をもまないように患者に指導すること。(「副作用」、「適用上の注意」の項参照)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはP-450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
2. 薬剤名等
サリチル酸誘導体
アスピリン
アスピリンダイアルミネート
サザピリン等
臨床症状・措置方法
併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤は、サリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
3. 薬剤名等
抗凝血剤
ワルファリンカリウム等
臨床症状・措置方法
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤は血液凝固促進作用がある。
4. 薬剤名等
経口糖尿病用剤
アセトヘキサミド等
インスリン製剤
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
5. 薬剤名等
利尿剤(カリウム保持性を除く)
トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、フロセミド等
注射用アムホテリシンB
臨床症状・措置方法
併用により、低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
6. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
7. 薬剤名等
エリスロマイシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
8. 薬剤名等
非脱分極性筋弛緩剤
パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等
臨床症状・措置方法
本剤の長期前投与により筋弛緩作用が減弱するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
機序・危険因子
機序は不明
9. 薬剤名等
強心配糖体
ジゴキシン、ジギトキシン等
臨床症状・措置方法
ジギタリス中毒があらわれるおそれがあるので、必要に応じて本剤又はこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。
機序・危険因子
本剤のカリウム排泄による血中カリウム値低下により、強心配糖体の作用が増強する。
10. 薬剤名等
エストロゲン(経口避妊剤を含む)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるおそれがあるので、必要に応じてこれらの薬剤を減量するなど用量に注意すること。
機序