)において,本剤300mg/リトナビル100mgと他の抗HIV薬併用投与群の2%以上に報告された中等度又は高度な副作用の主なものは,発熱,悪心,黄疸・黄疸眼,下痢,うつ病,筋肉痛,発疹等であった。また,グレード3-4の臨床検査値異常の主なものは,AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,総ビリルビン上昇,リパーゼ上昇,CK/CPK上昇,総コレステロール上昇,トリグリセリド上昇,血中ブドウ糖増加,好中球減少,血小板減少等であった。
リトナビルを併用しない試験
海外において実施された前治療歴のあるHIV感染患者を対象とした臨床第III相試験(AI424-043:n=144)において,安全性の評価を行った。中等度又は高度な副作用はこれら前治療歴のある患者と治療経験のない患者で同等であった。
重大な副作用
次のような副作用があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(1) 重度の肝機能障害,肝炎:
重度の肝機能障害,肝炎(1%未満)等があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
(2) 糖尿病,糖尿病の悪化及び高血糖:
糖尿病,糖尿病の悪化及び高血糖があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
(3) 出血傾向:
HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている。このような症状があらわれた場合には血液凝固因子を投与するなど適切な処置を行うこと。
(4) QT延長,心室頻拍(torsades de pointesを含む),房室ブロック:
QT延長,心室頻拍(torsades de pointesを含む),房室ブロック(第一度~第三度AVブロック)があらわれることがある。
(5) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑,中毒性皮疹:
皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑及び中毒性皮疹があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること。
(6) 尿細管間質性腎炎:
尿細管間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。なお,腎間質に結晶の沈着が認められた症例が報告されている。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 心臓障害
1%未満
失神,浮腫,動悸,心停止,第一度AVブロック,心筋炎
2. 心臓障害
頻度不明
QT延長,torsades de pointes
3. 神経系障害
1%以上
頭痛(2.7%)
4. 神経系障害
1%未満
末梢神経障害,健忘,傾眠,浮動性めまい,味覚異常,灼熱感,痙攣,運動過多,感覚鈍麻,反射亢進
5. 眼障害
1%以上
黄疸眼(1.1%)
6. 耳及び迷路障害
1%未満
耳鳴,耳炎
7. 呼吸器,胸郭及び縦隔障害
1%未満
呼吸困難,咳嗽,しゃっくり,低酸素症
8. 胃腸障害
1%以上
悪心(5.7%),嘔吐(2.2%),下痢(2.2%),消化不良(1.2%),腹痛(1.1%)
9. 胃腸障害
1%未満
口渇,鼓腸,胃炎,膵炎,アフタ性口内炎,腹部膨満,大腸炎,便秘,歯痛,食道潰瘍,食道炎,胃腸炎,胃腸障害,口腔内潰瘍形成,消化性潰瘍
10. 腎及び尿路障害
1%未満
血尿,頻尿,蛋白尿,腎結石,腎臓痛,尿異常,結晶尿,腎不全,乏尿,多尿,尿路感染
11. 皮膚及び皮下組織障害
1%以上
発疹(1.9%)注1)
12. 皮膚及び皮下組織障害
1%未満
脱毛症,そう痒症,蕁麻疹,血管拡張,水疱性皮膚炎,湿疹,血管浮腫,脂肪萎縮(顔面),光線過敏,多汗,斑状出血,紫斑,蜂巣炎,皮膚糸状菌症,皮膚乾燥,爪の障害,脂漏
13. 筋骨格系及び結合組織障害
1%未満
関節痛,筋萎縮,筋肉痛,ミオパチー,背部痛,骨痛,四肢痛,筋無力症,ピクピクした動き
14. 代謝及び栄養障害
1%未満
食欲不振,食欲亢進,体重減少,体重増加,脱水,脂質異常症,痛風,乳酸アシドーシス,肥満
15. 代謝及び栄養障害
頻度不明
体脂肪の再分布/蓄積(胸部,体幹部の脂肪増加,末梢部の脂肪減少,野牛肩)
16. 血管障害
1%未満
高血圧,蒼白
17. 全身障害及び投与局所様態
1%以上
疲労(1.4%)
18. 全身障害及び投与局所様態
1%未満
無力症,胸痛,発熱,倦怠感,歩行障害,異形成,全身浮腫,熱過敏,感染,末梢性浮腫,疼痛
19. 免疫系障害
1%未満
アレルギー反応
20. 肝胆道系障害
1%以上
黄疸(4.2%)
21. 肝胆道系障害
1%未満
肝脾腫大,無胆汁症,肝腫大,肝臓細胞障害,脂肪肝
22. 肝胆道系障害
頻度不明
胆石症,胆嚢炎,胆汁うっ滞
23. 生殖系及び乳房障害
1%未満
女性化乳房,男性生殖能低下,無月経,インポテンス,月経障害,骨盤痛
24. 精神障害
1%未満
不眠症,不安,うつ病,睡眠障害,異常な夢,失見当識,激越,リビドー減退,情動不安定,幻覚,敵意,神経過敏,精神病,自殺企図
25. 臨床検査注2)
1%以上
総ビリルビン上昇(37.2%),ALT(GPT)上昇(4.6%),AST(GOT)上昇(3.3%),CK(CPK)上昇(7.4%),アミラーゼ上昇(11.6%),リパーゼ上昇(2.6%),好中球減少(4.7%),ヘモグロビン減少(1.5%)
注1):重度の発疹が発現したり,持続する場合には本剤の投与を中止すること。
注2):グレード3-4の臨床検査値異常(副作用として報告されたかどうかにかかわらず,臨床試験において測定された臨床検査値異常)
高齢者への投与
65歳以上の高齢者への投与については,若年者と比較するのに十分な検討がなされていない(使用経験が少ない)。また,薬物動態試験で高齢者は特に用量調節の必要性はないとされている(【薬物動態】の項参照)。
一般に高齢者では生理機能(肝機能,腎機能,心機能等)が低下しており,また,合併症を有し,若しくは他の薬剤を併用している場合が多いので注意し,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦への投与