ン(500mg1日1回)を併用した場合にクラリスロマイシンのCmaxが約1.5倍,AUCが約2倍に増加するとの報告がある。クラリスロマイシンに関連する有害事象(QTc延長等)を起こすおそれがあるので,クラリスロマイシンを半量に減量して投与することを考慮すること。また,活性代謝物である14位水酸化体の濃度が顕著に低下するとの報告があり,Mycobacterium avium complexによる感染症以外の症状に対しては代替の治療法を考慮すること。
機序・危険因子
本剤及びクラリスロマイシンの血中濃度が上昇するおそれがある。
21. 薬剤名等
ブプレノルフィン塩酸塩
臨床症状・措置方法
ブプレノルフィンの血中濃度が上昇するおそれがある。本剤/リトナビルと併用する場合は,鎮静状態及び認知機能のモニタリングを行い,ブプレノルフィンの減量を考慮すること。また,リトナビルを併用しない場合には,本剤の血中濃度が減少するおそれがあるので,本剤とブプレノルフィンの併用は推奨されない。
機序・危険因子
本剤がCYP3A4及びUGT1A1を阻害する。
22. 薬剤名等
エチニルエストラジオール及びノルエチステロン又はノルゲスチメートを含む経口避妊薬
臨床症状・措置方法
本剤/リトナビルと併用する場合は,エチニルエストラジオールとして0.035mg以上の経口避妊薬を投与することが望ましい。
また,リトナビルを併用せずに本剤と併用する場合は,エチニルエストラジオールとして0.030mg以下の経口避妊薬を投与することが望ましい。
黄体ホルモン薬の血中濃度上昇による長期的な影響は不明であるが,インスリン抵抗性,脂質異常症,ざ瘡のリスクを上昇させるおそれがあるので,注意すること。本剤投与時は他の避妊法を行うことが望ましい。
機序・危険因子
本剤/リトナビルとエチニルエストラジオール及びノルゲスチメートを含む経口避妊薬の併用により,エチニルエストラジオールの平均血中濃度が低下し,17-デアセチルノルゲスチメートの平均血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤(リトナビルの併用なし)とエチニルエストラジオール及びノルエチステロンを含む経口避妊薬の併用により,エチニルエストラジオール及びノルエチステロンの平均血中濃度が上昇するおそれがある。
23. 薬剤名等
エトラビリン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少し,エトラビリンの血中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
CYP3A4誘導作用により,本剤の代謝が促進される。また,本剤のCYP3A4阻害作用により,エトラビリンの代謝が阻害される。
24. 薬剤名等
マラビロク,ダサチニブ水和物
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
本剤がCYP3A4の活性を阻害する。
25. 薬剤名等
ケトコナゾール(国内未発売)
イトラコナゾール
臨床症状・措置方法
本剤/リトナビルとケトコナゾール又はイトラコナゾールを併用する場合は,注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤はCYP3A4を阻害し,またCYP3A4により代謝される。
26. 薬剤名等
ボリコナゾール
臨床症状・措置方法
CYP2C19の活性型遺伝子を1つ以上有する患者(Extensive Metabolizer:EM)注)に本剤/リトナビル(300mg/100mg1日1回)とボリコナゾール(200mg1日2回)を併用した場合,ボリコナゾール及び本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。一方,CYP2C19の活性型遺伝子を有さない患者(Poor Metabolizer:PM)注)に本剤/リトナビル(300mg/100mg1日1回)とボリコナゾール(50mg1日2回)を併用した場合,ボリコナゾールの血漿中濃度が上昇し,本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
併用する場合には,ボリコナゾールに関連した有害事象,及びボリコナゾールあるいは本剤の有効性の減弱について注意深く観察すること。
機序・危険因子
CYP2C19のEMでは,リトナビルが,ボリコナゾールの主な肝薬物代謝酵素であるCYP2C19を誘導することにより,ボリコナゾールの血漿中濃度が低下する。
CYP2C19のPMでは,リトナビル及び本剤が,CYP3A4による代謝を阻害することにより,ボリコナゾールの血漿中濃度が上昇する。
本剤の血漿中濃度が低下する機序は不明である。
27. 薬剤名等
CYP3A4の基質となる薬剤
ボセンタン水和物等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
本剤がCYP3A4を阻害する。
注):CYP2C19遺伝子型
EM:CYP2C19 *1/*1,CYP2C19 *1/*2,CYP2C19 *1/*3,CYP2C19 *1/*17,CYP2C19 *2/*17,CYP2C19 *3/*17,CYP2C19 *17/*17
PM:CYP2C19 *2/*2,CYP2C19 *2/*3,CYP2C19 *3/*3
副作用
副作用等発現状況の概要
〈未治療のHIV感染患者での試験〉
リトナビルを併用した試験
海外において実施された治療経験のないHIV感染患者を対象とした臨床第III相試験(AI424-138:n=441)において,本剤300mg/リトナビル100mgと他の抗HIV薬併用投与群の2%以上に報告された中等度又は高度な副作用の主なものは,悪心,黄疸・黄疸眼,下痢,発疹等であった。また,グレード3-4の臨床検査値異常の主なものは,AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,総ビリルビン上昇,リパーゼ上昇,CK/CPK上昇,総コレステロール上昇,好中球減少等であった。
リトナビルを併用しない試験
海外において実施された治療経験のないHIV感染患者を対象とした臨床第II相試験(AI424-007,-008:n=279)及び第III相試験(AI424-034:n=404)において,本剤と他の抗HIV薬併用投与群の3%以上に報告された中等度又は高度な副作用の主なものは,悪心,頭痛,発疹,腹痛,黄疸等であった。また,グレード3-4の臨床検査値異常の主なものは,総ビリルビン上昇,ALT(GPT)上昇,好中球減少等であった。
〈前治療歴のあるHIV感染患者での試験〉
リトナビルを併用した試験
海外において実施された治療経験のあるHIV感染患者を対象とした臨床第III相試験(AI424-045:n=119