mgとして、1日2回経口投与する。
陳旧性心筋梗塞
通常、成人には、チカグレロルとして1回60mgを1日2回経口投与する。
用法・用量に関連する使用上の注意
1.
アスピリン(維持用量として81~100mg/日)と併用すること。
2.
ステント留置患者への本剤投与時には該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。
3.
陳旧性心筋梗塞における本剤の投与期間については、アテローム血栓性イベント発現リスクと出血リスクを考慮した上で症例毎に判断すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
次の患者においては出血の危険性が高いため、本剤を使用する際には、慎重に投与すること。
(1)
出血傾向及びその素因のある患者(受傷後または術後間もない患者等)
(2)
出血の危険性を高めるおそれがある他の薬剤(非ステロイド性消炎鎮痛剤、抗凝固剤、血栓溶解剤等)を併用している患者(「相互作用」の項参照)
(3)
腎機能障害患者[臨床試験において、クレアチニンクリアランス60mL/min未満の患者で出血リスクが増加する傾向がみとめられたとの報告がある。]
(4)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(5)
高血圧が持続している患者(「重要な基本的注意」の項参照)
(6)
低体重の患者
(7)
脳梗塞又は一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
2.
徐脈の発現リスクの高い患者(洞不全症候群、第2度、第3度房室ブロックを有する患者等)(「重要な基本的注意」の項参照)
3.
β遮断薬を投与中の患者[徐脈が発現する可能性がある。]
4.
COPD、気管支喘息等の呼吸器疾患を有する患者[呼吸困難が発現する可能性がある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
5.
高尿酸血症、痛風又は尿酸腎症の既往のある患者[血清尿酸値の増加が認められている。]
重要な基本的注意
1.
本剤による血小板凝集抑制が問題となるような手術の場合には、5日以上前に投与を中止することが望ましい。なお、十分な休薬期間を設けることができない場合は重大な出血リスクが高まることが報告されているので十分に観察すること。また、投与中止期間中の血栓症や塞栓症のリスクの高い症例では、適切な発症抑制策を講じること。手術後に本剤の再投与が必要な場合には、手術部位の止血を確認してから再開すること。
2.
出血を起こす危険性が高いと考えられる場合には、中止等を考慮すること。また、出血を示唆する臨床症状が疑われた場合は、適切な検査や処置を行うこと。(「副作用」の項参照)
3.
脳梗塞又は一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴のある患者では、出血のリスクが特に高まる可能性があるため、本剤の投与は避けることが望ましい。止むを得ず、これらの患者に投与する場合は慎重に投与すること。[陳旧性心筋梗塞患者を対象とした国際共同第III相試験(PEGASUS試験)では、出血リスクを考慮して、虚血性脳卒中の既往歴のある患者の組入れが中止された。]
4.
初回負荷投与及びアスピリンとの併用によって出血リスクが高まる可能性があることを十分考慮すること。
5.
アスピリン及び本剤にさらに経口抗凝固剤を併用する場合には、出血のリスクが高まる可能性があるので十分注意すること。
6.
高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、本剤投与中は十分な血圧コントロールを行うこと。
7.
徐脈の発現リスクの高い患者への本剤の投与は避けることが望ましい。止むを得ず、これらの患者に投与する場合は慎重に投与すること。[洞不全等の徐脈が発現する可能性がある。]
8.
COPD、気管支喘息等の呼吸器疾患やうっ血性心不全の合併等により呼吸困難を発現する可能性のある患者への本剤の投与は避けることが望ましい。止むを得ず、これらの患者に投与する場合は慎重に投与すること。また、本剤投与中に呼吸困難が発現した場合には、適切な検査を行い、必要に応じて処置を行うこと。症状の改善が認められない場合には本剤の投与を中止すること。(「副作用」の項参照)
9.
患者には通常よりも出血しやすくなることを説明し、異常な出血が認められた場合には医師に連絡するよう注意を促すこと。また、他院(他科)を受診する際には、本剤を服用している旨を医師に必ず伝えるよう患者に注意を促すこと。
10.
患者には飲み忘れることのないよう指導すること。服用を忘れた場合は、次の服用予定時間に通常どおり1回分を服用し、1度に2回分を服用しないよう指導すること。
相互作用
相互作用の概略
チカグレロル及びその主代謝物であるAR-C124910XXはシトクロムP450 3A(CYP3A)分子種の基質かつ弱い阻害剤でもある(in vivo)。またP-糖蛋白質の基質であり、阻害剤でもある。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
強いCYP3A阻害剤
イトラコナゾール(イトリゾール)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
クラリスロマイシン(クラリシッド)
ネルフィナビル(ビラセプト)
サキナビル(インビラーゼ)
リトナビル(ノービア等)
テラプレビル(テラビック)
インジナビル(クリキシバン)
コビシスタットを含む薬剤(スタリビルド等)
臨床症状・措置方法
強いCYP3A阻害剤との併用により、本剤の血漿中濃度が著しく上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
CYP3Aを強く阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。
2.
薬剤名等
強いCYP3A誘導剤
リファンピシン(リファジン)
リファブチン(ミコブティン)
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール等)
フェニトイン(アレビアチン等)
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
強いCYP3A誘導剤との併用により、本剤の血漿中濃度が著しく低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
CYP3Aを強く誘導することにより、本剤の代謝が著しく亢進される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
抗凝固剤
ワルファリン、ヘパリン等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
ナプロキセン等
臨床症状&