及び乳汁中への移行2,3)
(参考)妊娠ラット及び授乳期ラットに5,000万国際単位/kgを筋肉内投与したとき、胎児への移行はみられなかった。乳汁中へは一部移行したが、哺乳児に摂取されたかなりの量は胃内で失活し、哺乳児の循環血中への移行は認められなかった。
4. リバビリン併用時の薬物動態4)
C型慢性肝炎患者(12名、外国人)に本剤300万国際単位週3回皮下投与、リバビリン600mg1日2回4週間反復経口投与を併用したとき、本剤及びリバビリンのいずれの血中濃度も併用の影響は認められず、薬物動態学的相互作用は認められなかった。
(注)リバビリンの承認用量は「1日600~1,000mgを1日2回に分けて連日朝夕食後経口投与する」である。
薬物動態の表
表1 血中濃度の推移 筋肉内投与(癌患者)1)
投与量
(国際単位) 患者数 Tmax
(時間) Cmax
(国際単位/mL) T1/2
(時間) AUC
(国際単位・hr/mL)
300万 6 5.7±0.8 54.9±17.3 - 660.8±213.4
1,000万 6 6.0±0.9 169.7±22.7 5.2±0.3 1977.8±215.8
臨床成績
1. 臨床試験
(1) C型慢性肝炎
1) リバビリン併用での成績5~7)
1. 本剤とリバビリンの48週間併用投与
ジェノタイプ1かつ高ウイルス量(RT-PCR法:105IU/mL以上)のC型慢性肝炎患者を対象として、本剤とリバビリンの48週間併用投与群を対照とし、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)とリバビリンの48週間併用投与群の有効性が劣らないことを検証する試験を実施した。投与終了後24週目のウイルス血症改善度は、本剤とリバビリンの併用投与群では44.8%(113/252)であり、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)とリバビリンの併用投与群は、本剤とリバビリンの併用投与群に劣らないことが証明された。
本剤とリバビリンの併用に関してウイルスのジェノタイプ及びウイルス量別のウイルス血症改善度、インターフェロン(IFN)前治療効果別ウイルス血症改善度を表2、表3に示した。
2. 本剤とリバビリンの24週間併用投与
本剤を対照薬とし、本剤とリバビリンの24週間併用投与によるC型慢性肝炎患者のインターフェロン無効例あるいは再燃例を対象とした二重盲検比較試験及びジェノタイプ1bかつ高ウイルス量(RT-PCR法:105IU/mL以上、b-DNA法:1Meq./mL以上)を対象とした二重盲検比較試験をそれぞれ実施した。2試験の結果を集計した投与終了後24週目の持続的ウイルス陰性化率は、本剤単独投与群が5.5%(8/146)であったのに対し、本剤とリバビリン併用投与群は21.4%(51/238)でありそれぞれの試験において併用投与群が単独投与群に比較し有意に優れていた。
本剤とリバビリンの併用に関してウイルスのジェノタイプ及びウイルス量別のウイルス血症改善度、インターフェロン(IFN)前治療効果別ウイルス血症改善度を表4、表5に示した。
3. 製造販売後調査
本剤とリバビリン併用療法の治療効果を検討するため製造販売後調査(特定使用成績調査)を実施した。本剤は主として1日600万~1,000万国際単位を週6回2~4週間投与後、週3回の間歇投与で合計24週間投与した(評価対象1,554例、併用療法期間26.4±15.2週)。併用療法終了6カ月後のジェノタイプ及びウイルス量別のウイルス血症改善度は表6の結果であった。
2) 本剤単独での成績
1. 承認時8~10)
本剤の1日600万~1,000万国際単位、投与法として、2~4週間週6回投与後、週3回の間歇投与で12週間を246例に投与し、肝機能改善度とウイルス血症改善度を検討した。
投与終了後6カ月以上のALT(GPT)の正常化持続は34.5%(80/232)に認められた。また、投与終了後6カ月以降のHCV RNAの陰性化(CRT-PCR法)率は29.8%(71/238)であった。
本剤の有効性はジェノタイプ及びウイルス量により異なることが知られている。また、投与方法によっても有効率に差が認められ、CRT-PCR法でHCV RNA量が107copies/mL以上の症例における検討では、初期及び間歇期とも1日1,000万国際単位を投与した場合のCR(肝機能、ウイルス血症改善度とも有効)率は16.3%(14/86)と、初期及び間歇期の1日投与量のいずれかあるいは両方を600万国際単位とした場合の4.8%(3/62)に比べて高率であった。有効性の高かった投与法である初期及び間歇期とも1,000万国際単位を投与した症例におけるジェノタイプ別ウイルス量別肝機能改善度及びウイルス血症改善度は表7、表8の結果であった。
2. 市販後調査
本剤の治療効果を検討するため市販後調査(特別調査)を実施した。本剤は、主として1日600万~1,000万国際単位を2~4週間週6回投与後、週3回の間歇投与で合計24週間投与された(評価対象1,188例における1日平均投与量は913±156万国際単位、投与期間は22.9±4.8週、総投与量は71,225±18,999万国際単位(mean±S.D.))。投与終了6カ月後のジェノタイプ別ウイルス量別のウイルス血症改善度は表9の結果であった。
(2) B型慢性活動性肝炎11,12)
本剤の抗ウイルス効果を検討した結果、80.7%(109/135)にDNAポリメラーゼ活性の改善がみられ、HBe抗原に対する陰性化(SN)率は投与終了時で6.1%(10/164)であった。また、投与終了2年後でのSN率は56.0%(51/91)で、HBe抗体陽性化(SC)率は25.3%(23/91)であった。調査対象例のうち、投与前のHBe抗原cut off index値が8.0未満の症例(平均5.45)におけるSN率及びSC率はそれぞれ68.4%(26/38)及び34.2%(13/38)であった。
(3) 腎癌13,14)
本剤単独投与4週間以上の評価可能例45例中CR(著効)1例、PR(有効)6例が得られ、奏効率は15.6%で、MR(やや有効)3例を含めた奏効率は22.2%であった。投与8週間以上の評価可能例30例中CR1例、PR6例で奏効率は23.3%、MR2例を含めた奏効率は30.0%であった。CR、PR例における縮小効果は投与開始後1~8週目で、また50%以上