症
0.1~5%未満
発汗,熱感・ほてり,紅斑・発赤
その他
頻度不明
咳嗽,流涎,流涙
その他
0.1~5%未満
体動,バッキング,唾液又は気管の分泌亢進,嚥下運動,まばたき,息苦しさ,不安感
その他
0.1%未満
頭痛,胸部苦悶感,口渇感,不穏,顔をしかめる
<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)>
国内外で早産・低出生体重児の原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)に本剤を投与した症例において,以下が報告されている。
以下のような副作用があらわれた場合には症状に応じて減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
循環器
頻度不明
高血圧,頻脈,QT延長,心室性期外収縮
血液
頻度不明
貧血,溶血性貧血,メトヘモグロビン血症
消化器
頻度不明
早期歯牙萌出,嘔気,嘔吐,吐き戻し,栄養不耐症,胃酸増加,(血性)胃内残渣,腹部膨満,イレウス,腸管拡張症,血便
その他
頻度不明
痙攣,振戦,易刺激性,びくびく感,頻発啼泣,無気肺,頻呼吸,呼吸不全,代謝性アシドーシス,高血糖,尿中ブドウ糖陽性,未熟児網膜症,腎機能障害,発熱,敗血症,CRP上昇
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
**妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
**小児等への投与
1.
乳児,幼児,小児に投与する場合には慎重に投与すること。
2.
新生児,低出生体重児においては,未熟児無呼吸発作以外の疾患に対する有効性と安全性は確立していない。
**過量投与
<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>
過量投与による初期症状として極度の昇圧,頻脈,骨格筋機能亢進,深部腱反射の亢進がみられるので,血圧,脈拍,深部腱反射を定期的に調べることが望ましい。
処置:過度の中枢神経興奮に対してはバルビツレートの静注,又は酸素および人工呼吸装置の速やかな使用などを行う。
<早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)>
本剤による壊死性腸炎等の重篤な胃腸障害の発現は,1mg/kg/hr以上の高用量投与において多く認められており,死亡例も発現している5)。また,ドキサプラムの血中濃度が5μg/mLを超える場合に,胃腸障害等を含む副作用の発現率が上昇するとの報告がある6)。
(参考)体重当たり用量換算表
<麻酔時,中枢神経系抑制剤による中毒時における呼吸抑制ならびに覚醒遅延,遷延性無呼吸の鑑別診断,急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患>
**薬物動態
1. 健康成人男子にドキサプラム1mg/kgを静注した結果,投与直後に血中濃度は最高に達した。血中濃度は静注後約4分で半減した。また,48時間後までの尿中への排泄は約15%であった。
また,術後患者に対しての1時間の点滴静注においても持続点滴により血中濃度は上昇し,点滴終了後,血中濃度は速やかに低下した7,8)。
2. ヒト肝ミクロソームにおけるドキサプラムからその代謝物であるケトドキサプラム生成にはCYP3A4/5が関与することが示唆された9)。
3. アミノフィリンに不応の無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児を対象にアミノフィリン併用下で,ドキサプラム塩酸塩水和物1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注後,維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注(効果不十分な場合は0.4mg/kg/hrまで増量)したとき,定常状態における血清中ドキサプラム濃度の中央値は0.472μg/mLであり,すべての患児で血清中ドキサプラム濃度は2.0μg/mL未満であった。ドキサプラムとケトドキサプラムの血清中濃度の合計の最大値は2.073μg/mLであった9)。
4. ドキサプラムを未熟児に投与したときの薬物動態パラメータは,成人と比較して大きな個体間変動を示した。一方,平均値で比較すると,消失半減期は未熟児と成人で顕著な差異は認められなかったが,クリアランス及び分布容積では成人と比較して2倍程度大きくなる傾向を示した10-12)。
**臨床成績
1.
麻酔時(NLA,変法NLA,GOF,thiamylal,GOP,GOE,thiobarbital,ketamine)の呼吸抑制ならびに覚醒遅延患者の呼吸機能と血液ガスの正常化および覚醒時間の短縮が認められた。
2.
薬物中毒患者に対して昏睡レベルの改善がみられ,呼吸機能ならびに血液ガスの改善も認められた。
3.
手術後の呼吸抑制患者に対する呼吸抑制の鑑別診断に際して中枢性の抑制か末梢性の抑制かの鑑別が可能であった。
4.
急性ハイパーカプニアを伴う慢性肺疾患の患者を対象にドキサプラムの効果を検討した結果,換気の増大および血液ガスの改善が認められた。
5.
アミノフィリンに不応の無呼吸発作を認めた早産・低出生体重児を対象とした臨床研究(プラセボ対照二重盲検多施設ランダム化比較試験)において,アミノフィリン併用下で,ドキサプラム塩酸塩水和物1.5mg/kgを1時間かけて点滴静注し,その後,維持投与として0.2mg/kg/hrの速度で点滴静注された。効果不十分な場合は0.4mg/kg/hrまで増量された。主要評価項目である,治療効果不十分による中止をイベントとした投与7日間のイベント発生率[99%信頼区間]は,ドキサプラム群67.5%[51.1,82.9%],プラセボ群90.5%[76.8,97.7%]であり,プラセボ群に対するドキサプラム群の優越性が示された(ドキサプラム群に対するプラセボ群のハザード比2.634, p=0.0007,log-rank検定)13)。
**薬効薬理
1. 呼吸促進作用14,15)
手術予定の成人男女に対してドキサプラムは換気量を増加させることが認められている。
また,イヌによる実験でドキサプラムは動脈血液ガス分圧を改善することが認められている。
2. 覚醒促進作用16)
術後の麻酔下における成人女性に対してドキサプラムは覚醒時間を短縮することが認められている。
3. 麻薬性鎮痛剤による呼吸抑制の改善作用17,18)
ドキサプラムは成人男女において麻薬性の鎮痛剤の鎮痛作用に影響を与えず