ること)
1. 薬剤名等
腎障害を起こすおそれのある血液代用剤
デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等
臨床症状・措置方法
腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。
腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。
2. 薬剤名等
ループ利尿剤
エタクリン酸、アゾセミド、フロセミド等
臨床症状・措置方法
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。
機序・危険因子
機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。
3. 薬剤名等
**腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
バンコマイシン塩酸塩、エンビオマイシン硫酸塩、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等
臨床症状・措置方法
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。
機序・危険因子
両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。
4. 薬剤名等
**麻酔剤、筋弛緩剤
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン塩酸塩、ボツリヌス毒素等
臨床症状・措置方法
呼吸抑制があらわれるおそれがある。
呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
5. 薬剤名等
**腎毒性を有する薬剤
シクロスポリン、タクロリムス水和物、アムホテリシンB、ホスカルネットナトリウム水和物等
臨床症状・措置方法
腎障害が発現、悪化するおそれがある。
機序・危険因子
両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
副作用
副作用等発現状況の概要
副作用集計の対象となった15,059例中612例(4.06%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。(再審査終了時)
以下の副作用はこれらの調査において認められたものか、あるいは、別途自発的に報告されたものである。
重大な副作用
1. ショック
(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 急性腎不全
(0.1%未満)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
3. 第8脳神経障害
(0.1%未満)
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
その他の副作用
1. 過敏症注1)
頻度不明
蕁麻疹
2. 過敏症注1)
0.1~5%未満
発疹等
3. 過敏症注1)
0.1%未満
そう痒、発熱等
4. 腎臓
0.1~5%未満
腎機能障害注1)(BUN・クレアチニン上昇、尿所見異常、乏尿等)
5. 腎臓
0.1%未満
浮腫、血尿、カリウム等電解質の異常
6. 肝臓
0.1~5%未満
肝機能障害注1)(AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-P・LDH・血清ビリルビンの上昇等)
7. 神経注2)
0.1%未満
四肢等のしびれ感、脱力感
8. 血液
0.1~5%未満
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多
9. 血液
0.1%未満
血小板増多
10. 消化器
0.1%未満
下痢、悪心、嘔吐、食欲不振
11. ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
12. 注射部位注3)
頻度不明
発赤、潰瘍形成等
13. 注射部位注3)
0.1%未満
疼痛、硬結等
14. その他
0.1%未満
けん怠感、ほてり、頭痛、悪寒
注1)異常又は症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注2)症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
注3)筋肉内注射時
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
(2)
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。また、動物実験(モルモット)で新生仔に外有毛細胞の消失がみられたとの報告がある。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
過量投与
徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析等による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。
適用上の注意
1. 取扱い方法
アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットすること。