穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
イヌを用いた13週間経口投与毒性試験及び52週間経口投与毒性試験において、高用量で左心室心内膜の肥厚及び冠状動脈病変が認められ、無毒性量はそれぞれ30mg/kg/day、12mg/kg/dayであった。ラット及びサルでは心臓の変化は認められなかった。1週間静脈内投与心臓毒性試験では、イヌに左心室心内膜、右心房心外膜及び冠状動脈の変化がみられ、サルでは軽度の左心室心内膜の出血性変化が認められた。他のPDE阻害剤や血管拡張剤においても動物に心臓毒性が認められており、特にイヌは発現しやすい動物種であると報告されている。
2.
遺伝的に著しく高い血圧が持続し脳卒中が発症するとされているSHR-SP(脳卒中易発症高血圧自然発症ラット)において、シロスタゾール0.3%混餌投与群は対照群に比較して生存期間の短縮が認められた(平均寿命:シロスタゾール群40.2週、対照群43.5週)。
3.
他社が実施した脳梗塞再発抑制効果を検討する試験において、シロスタゾール群に糖尿病の発症例及び悪化例が多くみられた。
4.
シロスタゾール100mgとHMG-CoA還元酵素阻害薬ロバスタチン(国内未承認)80mgを併用投与したところ、ロバスタチン単独投与に比べてロバスタチンのAUCが64%増加したとの海外報告がある。
薬物動態
1. *生物学的同等性試験
(1) プレトモール錠50
プレトモール錠50と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シロスタゾールとして50mg)健康成人男子に空腹時、単回経口投与したときの血中未変化体濃度から得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
血中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2) プレトモール錠100
プレトモール錠100と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シロスタゾールとして100mg)健康成人男子に空腹時、単回経口投与したときの血中未変化体濃度から得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
血中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2. *溶出挙動
プレトモール錠50及びプレトモール錠100は、日本薬局方医薬品各条に定められたシロスタゾール錠の溶出規格に適合することが確認されている3,4)。
3. 腎機能障害患者での体内動態(参考:外国人による成績)
重症の腎機能障害患者にシロスタゾール1日100mgを8日間連続経口投与した場合、健康成人に比べ血漿中シロスタゾール濃度は減少したが、活性代謝物のOPC-13213は増加した。軽症及び中等症の患者において差は認められなかったとの報告がある。
4. 肝機能障害患者での体内動態(参考:外国人による成績)
軽症及び中等症の肝機能障害患者にシロスタゾール100mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は健康成人と差は認められなかったとの報告がある。
薬効薬理
本剤はcyclic AMP phosphodiesteraseの特異的阻害薬として、血小板cyclic AMPを増加させ、血小板凝集を抑制する。また、血管平滑筋においても同様の機序で弛緩作用をもたらす。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
シロスタゾール(cilostazol)(JAN)
化学名
6-[4-(1-cyclohexyl-1H-tetrazol-5-yl)butyloxy]-3,4-dihydroquinolin-2(1H)-one
構造式
分子式
C20H27N5O2
分子量
369.46
融点
158~162℃
性状
本品は白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はメタノール、エタノール(99.5)又はアセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
*安定性試験
最終包装製品を用いた長期安定性試験(25℃、3年間)の結果、プレトモール錠50は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された5)。
最終包装製品を用いた加速試験(温度40℃、湿度75%、6ヵ月)の結果、プレトモール錠100は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された6)。
包装
*プレトモール錠50:PTP100錠(10錠×10)
プレトモール錠100:PTP100錠(10錠×10)、バラ500錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(生物学的同等性試験、50mg錠)
2)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(生物学的同等性試験、100mg錠)
3)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(溶出挙動、50mg錠)
4)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(溶出挙動、100mg錠)
5)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(安定性試験、50mg錠)
6)
旭化成ファーマ株式会社:社内資料(安定性試験、100mg錠)
文献請求先
「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
旭化成ファーマ株式会社 医薬学術部くすり相談窓口
〒101-8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
フリーダイヤル 0120-114-936(9:00~17:45/土日祝、休業日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
東京都千代田区神田神保町一丁目105番