報告されたのは血管痛・悪寒1例(0.5%)であった。(再評価結果)
重大な副作用
一時に大量を投与すると心臓伝導障害があらわれることがある。高カリウム血症の治療にはカルシウム剤、重炭酸ナトリウム、高張食塩液、ブドウ糖・インスリン、陽イオン交換樹脂、透析が緊急度に応じて選択される。
その他の副作用
1. 投与部位
0.1~5%未満
血管痛
2. その他
0.1~5%未満
悪寒
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
カリウムは腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。〔授乳中の投与に関する安全性は確立していない。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児には投与しないことが望ましい。〔動物実験(3週齢以下の幼若マウス及びラット:アスパラギン酸として250mg/kg以上を投与)で、視床下部弓状核に病理組織学的変化を認めたという報告がある。〕
過量投与
急速又は過量投与により、高カリウム血症があらわれることがある。
一般に高カリウム血症は初期には無症状のことが多いので、血清カリウム値及び特有な心電図変化(T波の尖鋭化、QRS幅の延長、ST部の短縮、P波の平坦化ないしは消失)に十分注意し、高カリウム血症が認められた場合には血清カリウム値、臨床症状に応じて下記のうち適切と思われる処置を行う。なお、筋肉及び中枢神経系の症状として、錯感覚、痙攣、反射消失があらわれ、また、横紋筋の弛緩性麻痺は、呼吸麻痺に至るおそれがある。
(1)
カリウムを含む食物や薬剤の制限又は排除。カリウム保持性利尿剤の投与が行われている場合にはその投与中止。
(2)
インスリンをブドウ糖3~4gに対し1単位(もし糖尿病があれば2gに対し1単位)加えた20~50%高張ブドウ糖液200~300mLを30分くらいで静脈内投与。
(3)
アシドーシスのある場合には、乳酸ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウムを5%ブドウ糖液200mL程度に溶解し静脈内投与。
(4)
グルコン酸カルシウムの静脈内投与。
(5)
陽イオン交換樹脂(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等)の経口投与又は注腸。
(6)
血液透析又は腹膜透析。
適用上の注意
1.
投与経路
点滴静脈内注射にのみ使用すること。
2.
調製時
カリウムとして40mEq/L以下に希釈し、よく振盪混和した後、投与すること。
3.
投与時
大量投与時、又は総合アミノ酸製剤を併用する場合には電解質バランスに注意すること。
薬効薬理
カリウムは細胞内の主要電解質で、細胞膜電位の形成、酸-塩基平衡の調節、浸透圧の維持等に関与し、神経の興奮や各組織の細胞内代謝に重要な役割を持つ。
L-アスパラギン酸カリウムは組織移行性及び体内利用性のよいカリウム塩であることが認められている。1,2)
有効成分に関する理化学的知見
○一般名
L-アスパラギン酸カリウム
(Potassium L-Aspartate)
○構造式
○分子式
C4H6KNO4
○分子量
171.19
○性状
・白色の粉末で、においはなく、特異な味がある。
・水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
・極めて吸湿性である。
包装
アスパラカリウム注10mEq:10mL×10管 プラスチック
アスパラカリウム注10mEq:10mL×50管 プラスチック
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
檜垣 鴻 他:薬学研究 1963; 35(6):209-225
2)
Struck E. et al.:Arzneimittelforschung. 1969; 19:113-115
**,*文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-507-319
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**,*販売
田辺製薬販売株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10
**製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10