表2 〔小児気管支喘息患者5例、200μg1回噴霧吸入投与時の血漿中濃度2〕〕
パラメータ 17-モノプロピオン酸ベクロメタゾン
Tmax(h) 0.5±0.0
Cmax(pg/mL) 825±453
t1/2(h) 2.1±0.7
AUC0-t(pg・h/mL) 1,659±850
平均値±標準偏差、t:最終測定可能時点
臨床成績
〔成人〕
国内で実施された本剤の二重盲検比較試験5)を含む一般臨床試験6,7)の臨床成績は次のとおりである。
ピークフロー値変化量に基づく同等性の確認5)
二重盲検比較試験において、本剤1日量200μg1日2回分割噴霧吸入投与と対照薬〔クロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤〕1日量400μg1日4回分割噴霧吸入投与の同等性を起床時ピークフロー値により検討した結果、本剤と対照薬との同等性が認められた。
表3参照
全般改善度5-7)
クロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤を吸入している気管支喘息患者を対象に、1日量として半量の本剤が1日2回分割噴霧吸入投与された。最終全般改善度は、ピークフロー値の改善を主とし、その他症状点数、治療点数、喘息点数等を総合し、観察期と比較した。
表4参照
〔小児〕
国内で実施された本剤の一般臨床試験8)の臨床成績は次のとおりである。
ピークフロー値変化量に基づく同等性の確認
本剤1日量100及び200μg1日2回分割噴霧吸入投与と観察期に使用した製剤〔クロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤〕1日量200及び400μg 噴霧吸入投与の同等性を起床時ピークフロー値により検討した結果、本剤と観察期に使用した製剤との同等性が認められた。
表5参照
全般改善度
クロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤を吸入している小児気管支喘息患者を対象に、1日量として半量の本剤が1日2回分割噴霧吸入投与された。全般改善度は、ピークフロー値の改善を主とし、その他臨床症状、併用薬の使用状況を総合し、観察期と比較した。
表6参照
表3
例数 起床時ピークフロー値の変化量※1(L/分) 対照薬との変化量平均値の差 差の90%信頼区間※2
74 8.64 -1.62 -10.54~7.30
※1:本剤投与の最後の1週間の平均値と観察期の最後の1週間の平均値の差
※2:同等性の許容範囲±20L/分
表4
改善率 改善率 改善率 改善率
対象疾患 改善した 同様であった 悪化した 判定不能
気管支喘息 17%(31/187) 78%(146/187) 5%(10/187) 0
表5
4週時の起床時ピークフロー値の変化量※3(L/分) 4週時の起床時ピークフロー値の変化量※3(L/分) 4週時の起床時ピークフロー値の変化量※3(L/分)
両側95%信頼区間※4 両側95%信頼区間※4
例数 平均値 下限値 上限値
84 5.4 0.9 9.9
※3:本剤投与4週後の1週間の平均値と観察期の最後の1週間の平均値の差
※4:同等性の許容範囲±15L/分
表6
改善率 改善率 改善率 改善率
対象疾患 改善した 同様であった 悪化した 判定不能
気管支喘息 11%(9/84) 89%(75/84) 0 0
薬効薬理
1.
抗炎症作用9)
局所投与時(McKenzie変法):ヒト正常皮膚血管収縮作用において、ヒドロコルチゾンの約5,000倍、デキサメタゾンの約600倍の局所抗炎症活性を示した。(外国人)
2.
気道抵抗増大に及ぼす影響10)
卵白アルブミン感作モルモットにおいて抗原吸入により誘発される気道抵抗増大を抑制した。
3.
全身性ステロイド作用11-13)
ラットを用いて視床下部-下垂体-副腎(HPA)系機能に及ぼす作用ならびに胸腺萎縮作用をデキサメタゾンと比較したところ、吸入、皮下及び静脈内いずれの投与経路においてもHPA系機能抑制及び胸腺萎縮作用はデキサメタゾンより弱かった。
4.
副腎皮質機能への影響5-8)
国内で実施された本剤の臨床試験における血漿コルチゾール値の測定結果より、本剤の1日量800μgまでの用量では、副腎皮質機能への影響はクロロフルオロカーボン(CFC)を噴射剤に使用したベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤の1日量1,600μgまでと同程度であると考えられた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル Beclometasone Dipropionate
化学名
9-Chloro-11β, 17, 21-trihydroxy-16β-methylpregna-1, 4-diene-3, 20-dione 17, 21-dipropanoate
分子式
C28H37ClO7
分子量
521.04
融点
約208℃(分解)
性状
白色~微黄色の粉末で、においはない。クロロホルムに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)又は1, 4-ジオキサンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
○患者には添付の携帯袋及び使用説明書(キュバールをお使いになる患者さんと保護者の方へ)を渡し、使用方法を指導すること。
○専用のアダプターを使用すること。
○アダプターは、少なく