bsp; プラスグレル群b) クロピドグレル群c,d)
発現率(例数) 4.1%(15/370) 6.7%(25/372)
a)心血管死、非致死性心筋梗塞及び非致死性虚血性脳卒中の複合エンドポイント
b)アスピリン81~100mg/日を併用し、プラスグレルを初回負荷用量20mg、維持用量3.75mg/日又は初回負荷投与せずに維持用量3.75mg/日
c)アスピリン81~100mg/日を併用し、クロピドグレルを初回負荷用量300mg、維持用量75mg/日又は初回負荷投与せずに維持用量75mg/日
d)参考として設定した群であり、統計学的な比較対照群ではない。
表4
PCI適用予定の急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)患者における主要心血管イベントa)の発現率(海外第III相臨床試験)
発現率(例数)
プラスグレル群b)
クロピドグレル群c) ハザード比
(95%信頼区間) p値d)
急性冠症候群全体 9.44%(643/6,813)
11.49%(781/6,795) 0.812
(0.732,0.902) p<0.001
不安定狭心症、
非ST上昇心筋梗塞 9.30%(469/5,044)
11.23%(565/5,030) 0.820
(0.726,0.927) p=0.002
ST上昇心筋梗塞 9.84%(174/1,769)
12.24%(216/1,765) 0.739
(0.649,0.968) p=0.019
a)心血管死、非致死性心筋梗塞及び非致死性脳卒中の複合エンドポイント
b)アスピリン75~325mg/日を併用し、プラスグレルを初回負荷用量60mg、維持用量10mg/日を6~15ヵ月間投与した。
c)アスピリン75~325mg/日を併用し、クロピドグレルを初回負荷用量300mg、維持用量75mg/日を6~15ヵ月間投与した。
d)Gehan-Wilcoxon検定。最初に不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞患者を対象とした解析を実施し、プラスグレルの優越性が検証された場合に、ST上昇心筋梗塞患者を含めたすべての急性冠症候群患者を対象とした解析を実施することとした。
薬効薬理
1. 作用機序10~13)
プラスグレル塩酸塩はプロドラッグであり、生体内で活性代謝物に変換された後、血小板膜上のADP受容体P2Y12を選択的かつ非可逆的に阻害することで血小板凝集を抑制する。
2. 抗血小板作用2,10,13,14)
各種実験動物(ラット、イヌ、サル)に経口投与したプラスグレルは、ADPにより惹起される血小板凝集を抑制した。
健康成人23例に初回負荷用量としてプラスグレル20mgを初日に投与し、翌日から維持用量3.75mg/日を6日間投与したとき、血小板凝集抑制作用は、初回負荷投与1時間後から速やかに発現した。20mgの初回負荷用量により、血小板凝集抑制率は、初回負荷投与1時間後に34%、8時間後に最高値52%を示し、維持用量投与期間中はほぼ同様な値で推移した。
3. 抗血栓作用10,14)
ラット動静脈シャント血栓モデル及び電気刺激による動脈血栓モデルにおいて、プラスグレルは経口投与により、用量に依存して血栓形成を抑制した。ラット動静脈シャント血栓モデルにおけるプラスグレルの抗血栓作用は、アスピリンとの併用により増強された。
4. 病態モデルにおける作用13,15)
ラット心筋梗塞モデルにおいて、プラスグレル塩酸塩を経口投与すると、心筋梗塞サイズが減少した。プラスグレルは経口投与により、ラット血栓性及び塞栓性脳梗塞モデルにおいて脳梗塞サイズを減少させ、ラット末梢動脈閉塞症モデルにおいて下肢の病変進行を抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
プラスグレル塩酸塩(Prasugrel Hydrochloride)
化学名
5-[(1RS )-2-Cyclopropyl-1-(2-fluorophenyl)-2-oxoethyl]-4,5,6,7-tetrahydrothieno[3,2-c ]pyridin-2-yl acetate monohydrochloride
分子式
C20H20FNO3S・HCl
分子量
409.90
構造式
性状
白色~帯褐白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水にやや溶けやすく、N , N -ジメチルホルムアミド及びエタノール(99.5)にやや溶けにくい。
わずかに吸湿性である。
融点
178~179℃(分解)
分配係数
log D(HPLC法);3.23(pH4.5)
包装
エフィエント錠2.5mg
(PTP) 100錠
エフィエント錠3.75mg
(瓶) 100錠
(PTP)100錠 140錠(14錠×10) 500錠 700錠(14錠×50)
エフィエント錠5mg
(PTP) 16錠(8錠×2) 80錠(8錠×10) 100錠
*エフィエント錠20mg
(PTP) 5錠 20錠(5錠×4)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Montalescot G, et al.:N Engl J Med. 2013;369(11):999-1010
2)
社内資料:後期高齢者と非高齢者との薬物動態及び薬力学比較試験
3)
Small DS, et al.:J Clin Pharm Ther. 2009;34(5):585-594
4)
Small DS, et al.:J Clin Pharm Ther. 2009;34(5):575-583
5)
Small DS, et al.:J Clin Pharmacol. 2008;48(4):475-484
6)
Small DS, et al.:Curr Med Res Opin. 2008;24(8):2251-2257
7)
Saito S, et al.:Circ J. 2014;78(7):1684-1692
8)
Isshiki T, et al.:Circ J. 2014;78(12):2926-2934
9)
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Niitsu Y, et al.:Semin Thromb Hemost. 2005;31(2):184-194
11)
Hasegawa M, et al.:Thromb Haemost. 2005;94(3):593-598