mn;5.1時間であった。
(2) 排泄
健常成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与 した結果、投与216時間後までの尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ6.5%及び88.0% であった。0.5mgを単回静脈内投与した結果、尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ 85.3%及び3.9%であった。
これらのことから、主な排泄部位は腎である。
2. (参考)動物実験の結果
食事の影響5)
イヌにジスチグミン臭化物(0.02%w/v水溶液)として1.0mg/kgを、絶食時 又は給餌後に単回経口投与し、血漿中濃度を測定した際、絶食群は給餌群に比し、 Cmaxが約9.4倍、AUC0-24が約6.6倍高値であった。
例数 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC0-24(ng/mL・hr)
絶食群 5 166±75 0.8±0.3 2.6±1.8 539±187
給餌群 5 17.6±8.4 0.9±0.2 4.1±2.0 82.0±23.8
平均値±標準偏差
2週間以上の休薬期間を置いたクロスオ ーバー比較試験
臨床成績の表
疾患別有効率(排尿障害)
疾患名 有効率(%)
(有効例/症例数)
1日投与量5mg
前立腺肥大症
(前立腺症) 71.0(22/31)
膀胱頸部硬化症
(前立腺症) 69.2(9/13)
神経因性膀胱
(神経因性膀胱機能障害) 72.4(71/98)
脳性疾患
(神経因性膀胱機能障害) 50.0(3/6)
脊髄疾患
(神経因性膀胱機能障害) 65.4(68/104)
末梢神経疾患
(神経因性膀胱機能障害) 76.3(71/93)
手術後の排尿障害 90.2(119/132)
計 76.1(363/477)
(社内集計)
疾患別有効率(重症筋無力症)
疾患名 1日投与量別有効率有効率(%)
(有効例/症例数)
5mg 1日投与量別有効率有効率(%)
(有効例/症例数)
10mg 1日投与量別有効率有効率(%)
(有効例/症例数)
15mg 計
重症筋無力症 84.8(56/66) 78.8(41/52) 93.8(15/16) 83.6(112/134)
(社内集計)
薬効薬理
ジスチグミン臭化物は、可逆的にコリンエステラーゼを阻害しアセチルコリンの分解を抑制することにより、間接的にアセチルコリンの作用を増強、持続させ、副交感神経支配臓器でムスカリン様作用を、また、骨格筋接合部でニコチン様作用を示す。
1. コリンエステラーゼ阻害作用6)
本品100μg/kg及びネオスチグミン100~400μg/kgをラットに1回腹腔内投与したとき、血中コリンエステラーゼ活性はそれぞれ約80%及び30~60%阻害された。
2. アセチルコリン作用の増強6)
ラットの血涙反応では、対照値のアセチルコリンED50値を1/5に減ずるに要する用量は、本品で8.6μg/kg、ネオスチグミンで16.6μg/kgであった。また本品の作用は、投与後2時間で最大となり、少なくとも48時間以上持続した。
3. 抗クラーレ作用6)、7)
抗クラーレ作用を知る目的で、非処理でのd-ツボクラリンのED50値を100%増加せしめる量をラット腹腔内投与で求めたところ、本品では30.5μg/kg、ネオスチグミンでは88.5μg/kgであった。また、本品の作用は24時間後にも認められた。
有効成分に関する理化学的知見
構造式
分子式
C22H32Br2N4O4(576.32)
一般名
ジスチグミン臭化物 Distigmine Bromide(JAN,INN)
化学名
3,3'-[Hexamethylenebis(methyliminocarbonyloxy)]bis(1-methylpyridinium)dibromide
融点
約150℃(分解)
性状
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸に溶けにくい。本品の水溶液(1→100)のpHは5.0~5.5である。本品はやや吸湿性である。本品は光によって徐々に着色する。
取扱い上の注意
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
瓶開封後は湿気を避けて保存すること。
包装
PTP包装:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)
バラ包装:500錠(瓶)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
寺嶋正佳ほか:臨床麻酔,15(7) ,931,1991
2)
植木正明ほか:中毒研究,4,383,1991
3)
岩壁秀樹ほか:内科,70(4) ,765,1992
4)
Vree TB. et al.:Int.J.Clin.Pharmacol.Ther.,37(8),393,1999
5)
鳥居薬品社内資料:ジスチグミン臭化物のビーグル犬を用いた経口投与による血漿中濃度測定試験
6)
鳥居薬品社内資料:ウブレチドの薬理学的研究
7)
Herzfeld E.et al.:Wien Klin.Wochenschr.,69,(14),245, 1957
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
TEL 0120-316-834
FAX 03-3231-6890
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
鳥居薬品株式会社
東京都中央区日本橋本町3-4-1