。]
5.
重篤な肝機能障害のある患者
[薬物代謝の低下により作用等が増強されるおそれがある。]
6.
高齢者
[一般に高齢者では、腎機能等の生理機能が低下していることが多く、また過度の降圧は好ましくないとされていることから、低用量から投与を開始することが望ましい。](「高齢者への投与」の項参照)
7.
小児
[小児に対しては使用経験がなく、安全性は確立していない。](「小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状が認められた場合には減量又は投与を中止すること。また、必要に応じアトロピン硫酸塩水和物を使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。
2.
類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。特に高齢者においては同様の注意をすること。
3.
手術前48時間は投与しないことが望ましい。
4.
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)
臨床症状・措置方法
過度の交感神経抑制作用により、徐脈、血圧低下等があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
相互に交感神経抑制作用を増強させる可能性がある。
2. 薬剤名等
血糖降下薬(インスリン製剤、トルブタミド等)
臨床症状・措置方法
血糖降下作用が増強され、頻脈等の低血糖徴候をマスクすることがあるので血糖値に注意し、慎重に投与すること。
機序・危険因子
β遮断作用により低血糖からの回復を遅らせたり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクすることがある。
3. 薬剤名等
カルシウム拮抗薬(ベラパミル塩酸塩等)
臨床症状・措置方法
β遮断薬との併用により、相互に作用が増強され、過度の血圧低下、心機能抑制があらわれることがあるので慎重に投与すること。
機序・危険因子
相互に陰性変時作用、降圧作用を増強させると考えられる。
4. 薬剤名等
クロニジン
臨床症状・措置方法
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象を増強するおそれがあるので、クロニジンを中止する際には、あらかじめ本剤を一時休止しておくなど注意すること。
機序・危険因子
クロニジンの中止により、血中ノルアドレナリンが上昇することがある。β遮断薬との併用でβ作用(血管拡張)が遮断され、α作用(血管収縮)が強くなり、急激な血圧上昇を起こすと考えられる。
5. 薬剤名等
抗不整脈薬(ジソピラミド、プロカインアミド、アジマリン等)
臨床症状・措置方法
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
相互に心機能抑制作用を増強させる可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び承認後の調査症例4,899例中344例(7.02%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。
主な副作用は徐脈、洞性徐脈、動悸等の心拍数・心リズム障害(1.43%)、血清コレステロール上昇、血中尿酸上昇等の代謝・栄養障害(1.35%)であった。(2006年6月再審査終了時)1)
重大な副作用
1. 心不全(0.1%未満)、房室ブロック(1%未満)、洞機能不全(頻度不明)
心不全、房室ブロック、洞機能不全(著明な洞性徐脈、洞房ブロック等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2. 喘息発作、呼吸困難(頻度不明)
喘息発作の誘発又は悪化があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 精神神経系
0.1%~1%未満
めまい、頭痛、頭重感、眠気、不眠
2. 精神神経系
0.1%未満
眩暈、不安感
3. 腎臓
0.1%~1%未満
BUN上昇、クレアチニン上昇
4. **肝臓
0.1%~1%未満
肝機能異常(ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇等)
5. 循環器
0.1%~1%未満
徐脈、洞性徐脈、動悸、心胸郭比の増大、血圧低下
6. 循環器
0.1%未満
胸痛、失神
7. 呼吸器
0.1%~1%未満
咳、息切れ
8. 呼吸器
0.1%未満
喘鳴
9. 消化器
0.1%~1%未満
嘔気、下痢、便秘、口渇
10. 消化器
0.1%未満
悪心、腹部膨満感、食欲不振、腹部不快感、嘔吐、胃重圧感、口内刺激
11. 過敏症状注)
0.1%~1%未満
発疹
12. 過敏症状注)
0.1%未満
湿疹、そう痒感
13. 眼
0.1%未満
光視症様症状
14. **泌尿器
0.1%未満
排尿困難、頻尿、乏尿
15. その他
0.1%~1%未満
尿酸上昇、総コレステロール上昇、浮腫、けん怠感、CK(CPK)上昇、カリウム上昇
16. その他
0.1%未満
易疲労感、下肢脱力感、顔のほてり
17. その他の副作用(類薬)
β遮断薬の投与により涙液分泌減少等の症状があらわれたとの報告がある。このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者には、次のことに注意し低用量(症状に応じ、例えば50mg/日)から投与を開始するなど、経過を十分観察しながら慎重に投与することが望ましい。(「慎重投与」の項参照)
(1)
一般的に高齢者では、腎機能等の生