. 薬剤名等
ダサチニブ水和物
ラパチニブトシル酸塩水和物
エベロリムス
ブデソニド
エプレレノン
トルバプタン
エレトリプタン臭化水素酸塩
クエチアピンフマル酸塩
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
コビシスタットのCYP3Aに対する阻害作用が考えられる。
15. 薬剤名等
デキサメタゾン
臨床症状・措置方法
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。
機序・危険因子
デキサメタゾンはCYP3Aを誘導するため。
16. 薬剤名等
クラリスロマイシン
臨床症状・措置方法
クラリスロマイシン及びコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
クラリスロマイシン及びコビシスタットのCYP3Aに対する阻害作用が考えられる。
17. 薬剤名等
イトラコナゾール
ボリコナゾール
臨床症状・措置方法
エルビテグラビル,コビシスタット及びこれら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
これら薬剤及びコビシスタットのCYP3A等に対する阻害作用が考えられる。
18. 薬剤名等
酒石酸トルテロジン
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
コビシスタットのCYP3A及びCYP2D6に対する阻害作用が考えられる。
19. 薬剤名等
メトプロロール酒石酸塩
チモロールマレイン酸塩
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。これら薬剤と併用する場合は,患者の状態を注意して観察し,減量等の措置を考慮すること。
機序・危険因子
コビシスタットのCYP2D6に対する阻害作用が考えられる。
20. 薬剤名等
ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
ワルファリンの血中濃度が低下又は上昇する可能性があるためINRのモニタリングを行うことが望ましい。
機序・危険因子
機序不明。
21. 薬剤名等
マグネシウム/アルミニウム含有制酸剤
臨床症状・措置方法
エルビテグラビルの血中濃度が低下する可能性があるため,2時間以上間隔をあけて投与することが望ましい。
機序・危険因子
エルビテグラビル50mg及びリトナビル100mg投与2時間前又は2時間後にマグネシウム/アルミニウム含有制酸剤を投与した場合,エルビテグラビルのAUC,Cmax及びCminがそれぞれ10~20%程度低下した7)。
22. 薬剤名等
エチニルエストラジオール
臨床症状・措置方法
エチニルエストラジオールの血中濃度が低下する可能性がある。
機序・危険因子
本剤とノルゲスチメート(国内未承認)及びエチニルエストラジオールとの併用により,エチニルエストラジオールのAUCが25%,Cminが44%低下した8)。
23. 薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。本剤と併用する場合は,血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい。
機序・危険因子
コビシスタット150mgとジゴキシン0.5mgの併用により,ジゴキシンのCmaxが41%上昇した9)。
24. 薬剤名等
リファブチン
臨床症状・措置方法
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性がある。
機序・危険因子
エルビテグラビル150mg,コビシスタット150mg及びリファブチン150mgの併用により,エルビテグラビルとコビシスタットのCminが70%程度低下した。また,エルビテグラビルのAUCが21%低下した。リファブチンの25-脱アセチル体代謝物のCmaxが384%,AUCが525%及びCminが394%上昇した10)。
25. 薬剤名等
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
ガンシクロビル
バルガンシクロビル塩酸塩
臨床症状・措置方法
これら薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある。
機序・危険因子
尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により排泄が遅延し,これら薬剤,エムトリシタビン又はテノホビルの血中濃度が上昇するおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
抗HIV薬による治療経験のないHIV-1感染症患者を対象とした本剤の外国臨床試験(144週時)において,701例中335例(47.8%)に副作用が認められた。主な副作用は,悪心110例(15.7%),下痢86例(12.3%),異常な夢64例(9.1%),頭痛52例(7.4%)等であった。また抗HIV薬による治療経験があり,ウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者を対象とした本剤の外国臨床試験(48週時)において,632例中153例(24.2%)に副作用が認められた。主な副作用は,悪心24例(3.8%),不眠症17例(2.7%),下痢14例(2.2%),頭痛14例(2.2%)等であった。
重大な副作用
1. 腎不全又は重度の腎機能障害(<1%)
腎機能不全,腎不全,急性腎不全,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。
2. 膵炎(頻度不明)注2)
膵炎があらわれることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 乳酸アシドーシス(頻度不明)注2)
乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)エムトリシタビン製剤又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の臨床試験,製造販売後調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を