5000IU/日未満(本剤2000mLは3300IU)に留めるなど必要な注意を行うこと。
4.
ビタミンD過剰にならぬように、慎重に投与すること。
小児等への投与
1.
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
2.
ビタミンD過剰を起こしやすいので、慎重に投与すること。
臨床検査結果に及ぼす影響
1.
尿糖の検出を妨害することがある(アスコルビン酸含有のため)。
2.
各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある(アスコルビン酸含有のため)。
3.
尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある(リボフラビンリン酸エステルナトリウム含有のため)。
適用上の注意
1. 投与経路:
末梢静脈内には投与しないこと。
2. 調製方法:
用時に外袋を開封し、必ず2室の隔壁と小室を同時に開通して3室液を十分に混合すること。
混合方法(必ず3室の液を混合すること)
1. 開封
バッグを外袋より取り出す。
2. 開通
下室を両手で押して2室の隔壁と小室を開通する。
3. 混合
上室と下室を交互に押して、3室液を十分に混合し、黄色澄明の均一な液とする。
3. 調製時:
(1)
次のような製剤を配合する場合は、沈殿等の外観変化を生じることがあるので注意すること。
1)
アルカリ性側で安定化されている製剤
2)
水に難溶性の製剤
3)
リン酸塩又は炭酸塩を含む製剤
(2)
脂肪乳剤と配合しないこと。
(3)
投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。
(4)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
(5)
残液は決して使用しないこと。
(6)
外袋開封後及び混合後は速やかに使用すること。
4. 投与時:
(1)
尿量は1日500mL又は1時間あたり20mL以上あることが望ましい。
(2)
ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
5. その他:
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
薬物動態
(参考)ラット
ネオパレン2号輸液をラットに持続投与し、ブドウ糖あるいはアミノ酸の全てを14Cで標識した投与液を用いて、薬物動態を検討した。その結果、ネオパレン2号輸液に配合されたブドウ糖は主にエネルギー源として代謝された後に呼気中排泄され2)、一方、アミノ酸は蛋白質合成に多く利用されているものと考えられた3)。
臨床成績
全国延べ14施設で、消化器術後患者97例(対照群50例を含む)を対象に実施した臨床試験1)の結果、有効性の評価においては主要評価項目として設定した血漿蛋白(総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、トランスフェリン、レチノール結合蛋白)、窒素出納等の蛋白栄養指標は改善・維持され、水分、電解質、ビタミンの補給も良好で、対照群(市販製剤の組み合わせ)と同様な栄養管理ができることを確認した。
安全性の評価においては、有害事象のうち臨床検査値異常については投与前値に係わらず治験薬投与開始後に試験実施施設の基準値(健常人の基準値)を逸脱したものとして定義し、因果関係が否定されないものを副作用とした。その結果、副作用は47例中35例(74.5%)に認められ、発現件数は57件であったが、対照群[50例中40例(80.0%)、71件]と差はなかった。
主な事象は、高カロリー輸液療法施行時にみられる血糖値上限値逸脱の34例(72.3%)、35件であり、その発生頻度、程度は対照群と同程度であり、ほとんどがグレード1またはグレード1未満であった(下表参照)。
<ネオパレン群(47例)>
臨床検査値異常等
血清AST(GOT)上限値逸脱(IU/L)
程度※
グレード
<1
検査値の範囲
50未満
件数
2件
例数
6例
グレード
1
検査値の範囲
50以上100未満
件数
3件
例数
6例
グレード
2
検査値の範囲
100以上500未満
件数
1件
例数
6例
臨床検査値異常等
血清ALT(GPT)上限値逸脱(IU/L)
程度※
グレード
1
検査値の範囲
50以上100未満
件数
3件
例数
6例
グレード
2
検査値の範囲
100以上500未満
件数
3件
例数
6例
臨床検査値異常等
血清Al-P 上限値逸脱 (Nは施設の上限値)(IU/L)
程度※
グレード
<1
検査値の範囲
1.25×N未満
件数
1件
例数
5例
グレード
1
検査値の範囲
1.25×N以上
2.5×N未満
件数
2件
例数
5例
グレード
2
検査値の範囲
2.5×N以上
5×N未満
件数
2件
例数
5例
臨床検査値異常等
血清K 上限値逸脱(mEq/L)
程度※
グレード
<1
検査値の範囲
5.0未満
件数
0
例数
1例
グレード
1
検査値の範囲
5.0以上 5.5未満
件数
1件
例数
1例
臨床検査値異常等
血清ビリルビン 上限値逸脱(mg/dL)
程度※
グレード
<1
検査値の範囲
1.6未満
件数
1件
例数
2例
グレード
2
検査値の範囲
3.0以上 10未満
件数
1件
例数
2例
臨床検査値異常等
血清P 上限値逸脱(mg/dL)
程度※
グレード
<1
検査値の範囲
4.3以上 5.2以下
件数
0件
例数
0例
臨床検査値異常等
血清P 下限値逸脱(mg/dL)
程度※
グレード
1
検査値の範囲