用上の注意
1. 投与経路
直腸内投与による外用にのみ使用すること。
2. 投与時期
できるだけ排便後に投与すること。
薬物動態
1. 血漿中濃度1)
術後患者にブプレノルフィン坐剤0.2mg、0.4mgを直腸内投与し血漿中濃度を測定した結果、tmaxはいずれも約2時間で注射剤の筋肉内投与に比べ遅かった。本剤投与後の血漿中濃度には用量反応性がみられた。
2. 代謝、排泄2)
※ヒト(成人男子、筋肉内投与)においてブプレノルフィンは主に肝臓で代謝され、グルクロン酸抱合あるいはN-脱アルキル化を受ける。
主排泄経路は胆汁を介した糞中排泄であり、糞中への排泄率は約70%で、残りは尿中へ排泄される。
3. 薬物の肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種
主としてCYP3A4(in vitro)
臨床成績
全国64施設で実施した術後疼痛及び癌性疼痛に対する臨床試験の概要は次のとおりである。
(1) 術後疼痛
中等度から重度の術後疼痛に対する本剤0.2mg、0.4mg単回投与試験における中等度改善以上の改善率はそれぞれ35.6%(16/45例)、52.6%(20/38例)であった3)。中等度から重度の術後疼痛に対する二重盲検試験において、ブプレノルフィン注射剤0.2mgを筋肉内投与し、その6時間後より本剤0.4mgを8時間ごとに投与したときの有効以上の有効率は80.4%(78/97例)であった4)。
(2) 癌性疼痛
軽度から中等度の癌性疼痛に対する二重盲検試験において、本剤0.2mgの有効以上の有効率は94.1%(32/34例)であった5)。中等度から重度の癌性疼痛に対する二重盲検試験において、本剤0.4mgの中等度改善以上の改善率は67.7%(44/65例)であった6)。癌性疼痛に対する本剤0.2~0.4mgの長期投与試験においても有効性が認められた7,8)。
薬効薬理
鎮痛作用9)
※ブプレノルフィンは中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することにより鎮痛効果を発揮し、化学刺激、熱刺激、圧刺激及び電気刺激を侵害刺激として用いたいずれの試験においてもモルヒネ、ペンタゾシンより強く、かつ長い鎮痛効果を示す。なお、モルヒネに対する拮抗作用はナロキソン塩酸塩とほぼ同程度かやや弱い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ブプレノルフィン塩酸塩〔Buprenorphine Hydrochloride(JAN)〕
化学名
(2S)-2-[(5R,6R,7R,14S)-17-(Cyclopropylmethyl)-4,5-epoxy-3-hydroxy-6-methoxy-6,14-ethanomorphinan-7-yl]-3,3-dimethylbutan-2-ol monohydrochloride
構造式
分子式
C29H41NO4・HCl
分子量
504.10
性状
白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。
融点
約268℃(分解)
包装
レペタン坐剤0.2mg:50個
レペタン坐剤0.4mg:50個
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
太城力良ほか:麻酔,38(2),182-189,1989
2)
Heel, R.C. et al.:Drugs,17,81-110,1979
3)
田口鐵男ほか:薬理と治療,16(11),4577-4594,1988
4)
佐藤寿雄ほか:医学のあゆみ,148(4),285-294,1989
5)
檀健二郎ほか:医学のあゆみ,148(6),435-446,1989
6)
田口鐵男ほか:医学のあゆみ,148(8),553-564,1989
7)
ブプレノルフィン坐剤研究会:薬理と治療,16(11),4623-4638,1988
8)
檀健二郎ほか:薬理と治療,16(11),4639-4650,1988
9)
桧山隆司ほか:日薬理誌,79(3),147-162,1982
文献請求先
※大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
FAX 03-6717-1414
長期投与医薬品に関する情報
※本剤は平成18年3月6日付 厚生労働省告示第107号に基づき、投薬は1回14日分を限度とされています。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9