おそれがある。]
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例数310 例中23 例(7.4%)25 件の副作用が報告されている(承認時、1998 年)。
注射部位注1)
(5%以上)
血管痛
注射部位注1)
(0.1 ~ 5%未満)
静脈炎
肝臓
(0.1 ~ 5%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
代謝
(0.1 ~ 5%未満)
低ナトリウム血症
大量・急速投与注2)
(頻度不明)
《脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症、血栓性静脈炎》
《》:維持液でみられる副作用(第一次再評価結果その14、1978 年)
注1)このような場合には注射部位を変更する、投与速度を遅くする、局所を保温するなど適切な処置を行うこと。
注2)大量・急速投与によりこのような副作用があらわれることがあるので注意して使用し、経過を十分観察すること。
高齢者への投与
高齢者では心機能、腎機能及び糖代謝等の生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1. 調製時:
(1)
本剤はカルシウム塩を含有するため、クエン酸加血液と混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること。
(2)
pH 依存性の配合変化を起こす薬剤(例えばチアミラールナトリウム、カンレノ酸カリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム)との配合により、白濁又は結晶析出を生じることがあるので、配合しないこと。
2. 投与前:
(1)
投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具の消毒)。
(2)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
(3)
開封後直ちに使用し、残液は決して使用しないこと。
3. 投与時:
本剤を投与する場合は、患者の尿量が1日500mL又は1 時間当たり20mL 以上あることが望ましい。
臨床成績
内科領域と外科領域において比較臨床試験を実施し、臨床症状、臨床検査値の推移(自覚症状、他覚所見、一般状態の維持改善、水・電解質出納等)より有効性の評価を行った。その結果は以下のとおりである1 ~ 3)。
対象領域
内科
対象
消化器系等の疾患により、経口・経腸摂取が数日間不能又は不十分と予測される症例
有効率
83.8%(57/68)
対象領域
外科
対象
中等度(又は中等度以下)の手術侵襲を受け、術後数日間経口摂取が不能又は不十分と判断される症例
有効率
84.8%(67/79)
対象領域
外科(二重盲検比較試験)
対象
中等度(又は中等度以下)の手術侵襲を受け、術後数日間経口摂取が不能又は不十分と判断される症例
有効率
88.6%(78/88)
薬効薬理
1. 電解質維持効果4,5)
70%肝切除負荷慢性肝障害ラット及び正常ラットにおける血漿電解質濃度は、本剤投与により維持された。また、カルシウム、リンを含有しない10%ブドウ糖加乳酸維持輸液又は5%マルトース加酢酸維持輸液に比べ、カルシウムやリンの低下を抑制した。
2. エネルギー補給効果4,6,7)
手術侵襲ラットを用いて、体重、血液生化学的検査、肝臓検査、尿検査を指標に本剤の栄養学的効果を検討した。
その結果、本剤投与により体重減少は軽度で、血清総ケトン体の上昇、トリグリセリドの低下、肝臓グリコーゲンの低下は抑制された。
また、正常イヌにおける栄養学的効果を検討した結果、血清総蛋白、リン脂質、総コレステロールの低下、肝臓グリコーゲンの低下は抑制され、10%ブドウ糖加乳酸維持輸液と同等の効果が認められた。また、70%肝切除負荷慢性肝障害ラットにおいて、尿中への糖排泄はほとんどなかった。
取扱い上の注意
1.
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
2.
ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
3.
包装内に水滴が認められるものや内容液が着色又は混濁しているものは使用しないこと。
4.
容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
包装
*フィジオ35輸液
250mL 20 袋 ソフトバッグ入り
500mL 20 袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
越川昭三,他:基礎と臨床 1993;27:767-791
2)
斎藤洋一,他:基礎と臨床 1993;27:793-820
3)
斎藤洋一,他:臨床と研究 1996;73:2354-2370
4)
禿 英樹,他:薬理と治療 1992;20:4013-4022
5)
禿 英樹,他:薬理と治療 1992;20:4031-4038
6)
阿部俊一,他:薬理と治療 1996;24:1439-1450
7)
坂部真一,他:薬理と治療 1996;24:1451-1461
文献請求先
**株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
**〒101‐0048 東京都千代田区神田司町2‐2
**TEL:0120‐719‐814
**FAX:03‐5296‐8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115