長期投与試験(140例)において、最終評価時のUPDRS PartII+III合計スコアは-6.5±10.1の低下(FAS、LOCF)が認められ、長期投与においても安定した改善が認められた23)。
L-dopa併用進行期パーキンソン病患者を対象とした二重盲検比較試験(16週間投与、412例)において、本剤(36mg/日)はプラセボと比較し、最終評価時(FAS、LOCF)においてUPDRS PartIIIの合計スコアを統計学的に有意に改善した。また、本剤のスコアの改善はロピニロール塩酸塩(15mg/日)に比較し劣らないことが示された(表4)24)。
52週間(用量漸増・維持期:12週間、維持治療期:40週間)の継続長期投与試験(312例)において、最終評価時のUPDRS PartIII合計スコアは-7.5±8.6の低下(FAS、LOCF)が認められ、長期投与においても安定した改善が認められた25)。
2.
特発性レストレスレッグス症候群
特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした二重盲検比較試験(13週間投与、282例)において、本剤はプラセボと比較し、最終評価時(FAS、LOCF)においてIRLS(International Restless Legs Syndrome Study Group Rating Scale)合計スコアを統計学的に有意に改善した(表5)26)。
52週間(用量調節期:8週間、維持治療期:44週間)継続長期投与試験(184例)において、本剤投与により最終評価時におけるIRLS合計スコアの変化量は-10.4±9.1(FAS、LOCF)であり、安定した減少を示した27)。
表3 UPDRS PartII+PartIII合計スコアの変化量(FAS、LOCF)
投与群 例数 UPDRS PartII+PartIII合計
スコアa
ベースライン UPDRS PartII+PartIII合計
スコアa
最終評価時 UPDRS PartII+PartIII合計
スコアa
変化量 優越性
プラセボに対する差
(95%CI)
ロチゴチン 88 27.0±11.8 18.6±12.2 -8.4±9.7 -4.3(-7.0~-1.7)
p=0.002b
プラセボ 88 28.2±12.2 24.2±14.4 -4.1±8.2 -4.3(-7.0~-1.7)
p=0.002b
a:平均値±標準偏差
b:両側有意水準0.05のt検定
表4 UPDRS PartIII合計スコアの変化量(FAS、LOCF)
投与群 例数 UPDRS PartIII合計
スコアa
ベースライン UPDRS PartIII合計
スコアa
最終評価時 UPDRS PartIII合計
スコアa
変化量 優越性
プラセボに対する差
(95%CI) 非劣性
ロピニロール
に対する差
(95%CI)
ロチゴチン 164 25.8±10.6 14.9±10.6 -10.9±8.1 -6.4(-8.7~-4.1)
p<0.001b -1.4(-3.2~0.5)c
p=0.156b
プラセボ 83 25.6±10.4 21.1±14.0 -4.5±9.7 -6.4(-8.7~-4.1)
p<0.001b -1.4(-3.2~0.5)c
p=0.156b
ロピニロール 165 25.8±11.0 16.3±11.4 -9.5±8.7 -6.4(-8.7~-4.1)
p<0.001b -1.4(-3.2~0.5)c
p=0.156b
a:平均値±標準偏差
b:両側有意水準0.05のt検定(分散分析によるプラセボ群又はロピニロール群との比較)
c:非劣性マージン2.5
表5 IRLS合計スコアの変化量(FAS、LOCF)
投与群 例数 IRLS合計スコアa
ベースライン IRLS合計スコアa
最終評価時 IRLS合計スコアa
変化量 優越性
プラセボに対する差
(95%CI)
4.5mg 優越性
プラセボに対する差
(95%CI)
6.75mg
4.5mg/日 93 23.3±5.3 9.0±8.3 -14.3±8.9 -2.8(-5.3~-0.3)
p=0.030b -3.1(-5.6~-0.6)
p=0.016b
6.75mg/日 94 22.7±5.1 8.1±7.9 -14.6±9.0 -2.8(-5.3~-0.3)
p=0.030b -3.1(-5.6~-0.6)
p=0.016b
プラセボ 95 23.1±4.9 11.5±8.7 -11.6±8.2 -2.8(-5.3~-0.3)
p=0.030b -3.1(-5.6~-0.6)
p=0.016b
a:平均値±標準偏差
b:両側有意水準0.05のt検定(閉手順法を用いた分散分析によるプラセボ群との比較)
薬効薬理
1. パーキンソン病様動物モデルに対する作用
(1) MPTP誘発症状改善作用
皮下投与により、MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine) 処置コモンマーモセットにおいて低下した自発運動量の増加を示した。更に、運動機能障害に対して改善作用を示した。これらの効力は用量依存的であった28)。
2. 作用機序
(1) ドパミン受容体に対する作用
すべてのドパミン受容体サブタイプ(D