良
10. *皮膚
1~5%未満
発疹
11. 皮膚
1%未満
そう痒
12. 注射部位
頻度不明注)
局所反応
13. *全身症状
1%未満
発熱、浮腫、胸痛、下肢痛、疲労、潮紅
14. 全身症状
頻度不明注)
失神
15. その他
1%未満
手術部位感染、創部分泌、咳嗽、低カリウム血症
16. その他
頻度不明注)
アレルギー反応、呼吸困難
注)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ヒト胎盤を用いたin vitro試験では胎盤通過性はみられていないものの、妊娠ラットの反復静脈内投与試験では、わずかに胎児への移行が確認されている1)。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[ラットにおいて乳汁への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
通常用量以上の投与は、出血の危険性を増大させる。
処置
出血を伴う場合には投与を中止し原因を確認すること。症状に応じて、外科的止血、新鮮凍結血漿輸注、血漿交換等の適切な治療の開始を検討すること。本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は知られていない。
適用上の注意
1. 投与部位
連日皮下注射する場合には、例えば左右の前側腹部と後側腹部に交互に投与するなど、注射部位を変えて行うこと。
2. 投与時
(1)
配合変化試験を実施していないので、他の薬剤との混合は避けること。
(2)
本剤は1回投与分の規定量を充填したプレフィルドシリンジである。シリンジから気泡を除去する際に薬液を減じるおそれがあるので、気泡を除去しないことが望ましいが、もし除去する場合には、薬液を減じないよう注意すること。
薬物動態
1. 血中濃度
健康成人にフォンダパリヌクスナトリウム0.75、2.5、8mgを単回皮下投与した時の薬物動態パラメータ及び血中濃度推移は以下のとおりであった。フォンダパリヌクスは皮下投与後速やかに吸収され、投与後約2時間で最高血中濃度に達し、消失半減期は約14~17時間であった(表-1)。
フォンダパリヌクスナトリウム0.75~8mgの単回皮下投与において、フォンダパリヌクスの薬物動態はほぼ線形性を示した。また、高齢者に1日1回反復皮下投与した結果、フォンダパリヌクスは投与3日目に定常状態に到達し、反復投与による薬物動態の変化はみられなかった。
2. 代謝・排泄
フォンダパリヌクスナトリウムは皮下投与後、投与量の大部分が未変化体のまま尿中に排泄される。健康成人に単回皮下投与した時の投与後120時間までのフォンダパリヌクスの尿中排泄率(投与量に対する%)は、約80%であった。
下肢整形外科手術施行患者を対象とした海外臨床試験における母集団薬物動態解析の結果、フォンダパリヌクスの全身クリアランスは体重の低下に伴って低下する傾向がみられた。
フォンダパリヌクスナトリウムはCYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4活性を阻害しない(in vitro)2)。
3. 腎障害患者における薬物動態(外国人データ)
腎障害患者にフォンダパリヌクスナトリウム4mgを単回静脈内投与※した結果、クレアチニンクリアランスの低下に伴いフォンダパリヌクスのAUC0-∞が増加し、消失半減期は延長した(表-2)。
下肢整形外科手術施行患者を、クレアチニンクリアランスを指標として3段階(50mL/min未満、50mL/min以上80mL/min以下、80mL/min超)に分け母集団薬物動態解析した結果、80mL/min超の患者に対する全身クリアランスは、50mL/min以上80mL/min以下の患者で20~28%、50mL/min未満の患者で37~57%低下した。
4. 肝障害患者における薬物動態(外国人データ)
中等度肝障害患者にフォンダパリヌクスナトリウム7.5mgを単回皮下投与した時の薬物動態は、肝機能による影響を受けなかった。
5. 高齢者における薬物動態
高齢者にフォンダパリヌクスナトリウム2.5mgを単回皮下投与した時の薬物動態は、健康成人とほぼ類似していた。
6. 相互作用(外国人データ)
ワルファリン、アスピリン、ピロキシカム(NSAID)、又はジゴキシンと併用投与した時、フォンダパリヌクスナトリウムはいずれの併用薬物の血液凝固系の薬力学活性パラメータにも影響を及ぼさず、またジゴキシンの薬物動態にも影響を与えなかった。また、フォンダパリヌクスの薬物動態は、いずれの併用薬物による影響も受けなかった。
7. その他の薬物速度論的パラメータ
フォンダパリヌクスナトリウム2.5mgを単回皮下投与した時の絶対的生物学的利用率は101%であった。
臨床血中濃度(2μg/mL以下)での血漿蛋白結合率は97~98.6%であり、フォンダパリヌクスは主に血漿中のアンチトロンビンIII(ATIII)と結合した3)。
表-1 単回皮下投与した時の薬物動態パラメータ
投与量 Cmax
(mg/L) tmax
(hr) AUC0-∞
(mg・hr/L) t1/2
(hr)
0.75mg 0.127±0.015 1.8(1.5-2.5) -注1) 17.4±4.47
2.5mg 0.335±0.030 2.0(1.5-2.5) 6.62±1.10注2) 16.1±2.50
8mg 0.971±0.125 2.0(1.5-2.0) 16.8±1.54 13.8±0.660
Mean±SD、n=6、tmax:中央値(範囲)、注1)算出できず、注2)n=5
表-2 4mg単回静脈内投与時の腎機能別の薬物動態パラメータ
クレアチニンクリアランス(mL/min)(被験者数) >90
(n=5)&n