生命の危険があり緊急治療を要する場合
本剤の投与量調節
投与中止。
悪心・嘔吐・下痢
基準注1)
・Grade 3以上
・適切な制吐剤又は止瀉剤の使用にもかかわらずコントロールできない場合
本剤の投与量調節
Grade 1以下に回復するまで休薬する。投与再開時には、投与量を150mg減量する。
高血糖
基準注1)
適切な治療を行っても250mg/dLを超える高血糖が持続する場合
本剤の投与量調節
血糖がコントロールできるまで休薬する。投与再開時には、投与量を150mg減量して再開する。
リパーゼ又はアミラーゼ増加
基準注1)
Grade 3以上
本剤の投与量調節
Grade 1以下に回復するまで休薬する。投与再開時には、投与量を150mg減量する。
注1)GradeはCTCAE ver. 4に準じる。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者〔間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
2.
中等度又は重度の肝機能障害のある患者〔安全性は確立していない。〕
3.
QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者〔QT間隔延長が発現するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)
重要な基本的注意
1.
間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。また、胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察すること。必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「副作用 重大な副作用」の項参照)
2.
ALT(GPT)、AST(GOT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「副作用 重大な副作用」の項参照)
3.
QT間隔延長、徐脈があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、また、脈拍、血圧測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質を補正するとともに、QT間隔延長、徐脈があらわれた場合には、本剤を休薬、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「副作用 重大な副作用」の項参照)
4.
高血糖があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血糖値を測定するなど、患者の状態を十分に観察すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「副作用 重大な副作用」の項参照)
5.
リパーゼ、アミラーゼが増加することがあるので、本剤開始前及び本剤投与中は定期的に検査を行い、腹痛等の膵炎を示唆する症状が認められた場合や膵酵素上昇が持続する場合には画像診断等を行うこと。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「副作用 重大な副作用」の項参照)
相互作用
本剤はCYP3Aの基質となる。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(アミオダロン、クラリスロマイシン、ドロペリドール等)
臨床症状・措置方法
QT間隔延長を起こすおそれがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
機序・危険因子
いずれもQT間隔を延長させるおそれがある。
2. 薬剤名等
徐脈を起こすことが知られている薬剤(β遮断剤、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤、クロニジン等)
臨床症状・措置方法
徐脈を起こすおそれがあるので、可能な限り併用しないこと。
機序・危険因子
いずれも徐脈を起こすおそれがある。
3. 薬剤名等
CYP3A阻害剤(ケトコナゾール注2)、イトラコナゾール、リトナビル、サキナビル等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が増加し、副作用が増加するおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。併用が避けられない場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A阻害により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
4. 薬剤名等
CYP3A誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A誘導により、本剤の代謝が促進されると考えられる。
注2)経口剤は国内未発売
副作用
国際共同第II相試験(CLDK378A2201試験)において、本剤が投与された140例中(日本人患者24例を含む)135例(96.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心109例(77.9%)、下痢108例(77.1%)、嘔吐82例(58.6%)、ALT(GPT)増加53例(37.9%)、食欲減退50例(35.7%)、AST(GOT)増加40例(28.6%)等であった。(承認時までの集計)
副作用の発現頻度は、国際共同第II相試験に基づき記載した。なお、当該試験で認められていない副作用については頻度不明とした。
重大な副作用
1. 間質性肺疾患(1.4%)
間質性肺疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
2. 肝機能障害(3.6%)
ALT(GPT)、AST(GOT)、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
3. QT間隔延長(5.7%)、徐脈(0.7%)
QT間隔延長、徐脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又