合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
7.
*ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
8.
ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性の大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部や鼠径部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の大腿骨の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
カルシウム、マグネシウム等の金属を含有する経口剤:
カルシウム補給剤
制酸剤
マグネシウム製剤等
臨床症状・措置方法
本剤の服用後少なくとも30分経ってから服用すること。
機序・危険因子
本剤は多価の陽イオン(Ca,Mg等)とキレートを形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
臨床試験(治験)
国内における35mg製剤(35mg/週)と5mg製剤(5mg/日)との52週間の二重盲検比較試験
本試験における35mg製剤(35mg/週)の安全性評価対象168例中22例(13.1%)に28件の副作用が認められた。主な症状は消化管障害であり、24件〔上腹部痛4件(2.4%)、胃不快感4件(2.4%)、胃潰瘍3件(1.8%)、胃炎3件(1.8%)等〕であった。また、臨床検査値異常変動は168例中6例(3.6%)に10件認められた。主なものはγ-GTP上昇4件(2.4%)、AST(GOT)上昇2件(1.2%)、ALT(GPT)上昇2件(1.2%)であった。なお、5%を超える頻度の副作用は認められなかった。〔承認時〕
特定使用成績調査
安全性評価対象3,162例中247例(7.8%)に300件(臨床検査値異常変動を含む)の副作用が認められた。副作用発現頻度は、安全性に関する調査(観察期間1年6ヵ月)7.7%(207例/2,702例)、有効性・安全性に関する調査(観察期間3年間)8.7%(40例/460例)であった。安全性評価対象3,162例における主な副作用は腹部不快感34件(1.1%)、上腹部痛33件(1.0%)、悪心25件(0.8%)、消化不良16件(0.5%)、下痢16件(0.5%)であった。〔再審査終了時〕
副作用の頻度は35mg製剤(35mg/週)の臨床試験及び特定使用成績調査の合計より算出した。
重大な副作用
1. 食道・口腔内障害
食道障害(食道穿孔(頻度不明)注1)、食道狭窄(頻度不明)注1)、食道潰瘍(頻度不明)注1)、食道炎(0.3%)、食道びらん(頻度不明)注1) があらわれ、出血を伴う場合がある。)、口腔内潰瘍(頻度不明)注1) があらわれることがある。観察を十分に行い、徴候又は症状(吐血、下血、貧血、嚥下困難、嚥下痛、胸骨下痛、胸やけ、口腔内異和感、口内痛の発現・悪化等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 胃・十二指腸障害
(出血性)胃・十二指腸潰瘍(0.3%)、出血性胃炎(0.2%)があらわれることがある。観察を十分に行い、徴候又は症状(吐血、下血、貧血、上腹部痛、心窩部痛、上腹部不快感の発現・悪化等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 肝機能障害、黄疸
(いずれも頻度不明)注1)
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 低カルシウム血症
(0.09%)
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。
5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(いずれも頻度不明)注1)
中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤な皮膚症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(0.03%)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7. *外耳道骨壊死
(頻度不明)注1)
外耳道骨壊死があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
8. 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明)注1)
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
注1)自発報告、海外で認められている副作用、5mg製剤(5mg/日)の臨床試験又は特定使用成績調査のみで認められた副作用については頻度不明とした。
その他の副作用
1. 消化器
頻度不明注1)
鼓腸放屁、口内乾燥、嚥下困難、歯肉腫脹
2. 消化器
1~5%未満
胃痛・心窩部痛、胃不快感・胃重感・腹部不快感
3. 消化器
1%未満
腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、胃酸逆流、咽喉頭痛、咽喉頭不快感、おくび、嘔気、便秘、下痢、胃炎、消化不良
4. 皮膚・皮膚付属器
頻度不明注1)
紅斑、湿疹
5. 皮膚・皮膚付属器
1%未満