11.
創傷治癒を遅らせる可能性があるため、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与再開は患者の状態に応じて判断すること。
12.
めまい、傾眠、意識消失等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
相互作用
本剤は主にCYP3A4で代謝されるので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には、注意して投与すること。CYP3A4活性を阻害する薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。またCYP酵素を誘導する薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。[「用法・用量」、「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照]
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤
アゾ-ル系抗真菌剤(イトラコナゾール等)
マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、本剤の用量を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤等がCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
2. 薬剤名等
CYP3A4誘導剤
デキサメタゾン
フェニトイン
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下する可能性があり、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤等がCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
3. 薬剤名等
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン
ピモジド 等
臨床症状・措置方法
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
4. 薬剤名等
抗不整脈薬
キニジン
プロカインアミド
ジソピラミド
ソタロール 等
臨床症状・措置方法
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験において、本剤を投与された93例全例において副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少77例(82.8%)、好中球減少74例(79.6%)、白血球減少73例(78.5%)、皮膚変色68例(73.1%)、手足症候群64例(68.8%)、食欲不振62例(66.7%)、疲労59例(63.4%)、下痢59例(63.4%)、貧血55例(59.1%)、高血圧55例(59.1%)、肝機能異常[AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加]55例(59.1%)等であった。(承認時までの調査の集計)
重大な副作用
1. 骨髄抑制
汎血球減少(0.2%注1))、血小板減少(82.8%)、白血球減少(78.5%)、好中球減少(79.6%)、貧血(59.1%)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 感染症
好中球減少の有無にかかわらず肺炎、敗血症、壊死性筋膜炎等の重篤な感染症(頻度不明注2))があらわれることがあり、死亡例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 高血圧(59.1%)
高血圧があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬し、適切な処置を行うこと。
4. 出血
鼻出血(23.7%)、皮下出血(16.1%)、口腔内出血(6.5%)、性器出血(2.2%)、喀血(3.2%)、結膜出血(1.1%)、腫瘍出血(1.1%)、消化管出血(7.5%)、脳出血(0.3%注1))があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 消化管穿孔
腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし、消化管穿孔(0.2%注1))又は消化管瘻(頻度不明注2))があらわれることがある。また、消化管穿孔については、腫瘍の急激な壊死・縮小を伴わず発現した例も報告されている。観察を十分行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. QT間隔延長(6.5%)、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)(0.3%注1))
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、必要に応じて減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 心不全(3.2%)、左室駆出率低下(9.7%)
心不全、左室駆出率低下があらわれることがあるので、適宜心機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8. 肺塞栓症(1.2%注1))、深部静脈血栓症(1.0%注1))
肺塞栓症、深部静脈血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9. **血栓性微小血管症(頻度不明注2))
血栓性微小血管症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. 一過性脳虚血発作(0.6%注1))、脳梗塞(0.2%注1))
一過性脳虚血発作、脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明