は海外において認められている副作用のため頻度不明。
※※: 発現した場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
**妊娠後期には投与しないこと。
[妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告がある。]
2.
**妊婦(妊娠後期以外)又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、マウスの高用量(60mg/kg以上)投与群で着床数及び生児数の抑制が認められている1)。]
3.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[母乳中へ移行することが認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
薬物動態
1. 吸収2)
健康成人14例にイブプロフェン200mg(ブルフェン錠100 2錠)を単回経口投与したときの最高血漿中イブプロフェン濃度(Cmax)は16.6μg/mLであり、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は2.1時間、血漿中濃度半減期(T1/2)は1.8時間であった (表1参照)。
イブプロフェン200mg (ブルフェン錠100 2錠)
経口投与後の血漿中濃度推移
2. 代謝・排泄3)
(外国人でのデータ)
健康成人にイブプロフェン200mgを1日3回経口投与した場合、24時間までに約60%が代謝物(側鎖イソブチル基が酸化されたもの2種、及びそれらの抱合体)として尿中に排泄され、未変化体は認められていない。
表1
Cmax
(μg/mL) Tmax
(hr) T1/2
(hr)
イブプロフェン 16.6±0.9 2.1±0.2 1.8±0.1
(平均値±標準誤差、n=14)
臨床成績
二重盲検比較試験及び一般臨床試験において、本剤の有用性が認められている。
本剤の疾患別有効率は次のとおりである4~18)。
疾患名/有効率(%) 有効以上 やや有効以上
関節リウマチ 38.7%(48/124) 71.0%(88/124)
関節痛及び関節炎 78.1%(50/64) 84.4%(54/64)
神経痛及び神経炎 71.0%(22/31) 80.6%(25/31)
背腰痛 66.1%(37/56) 76.8%(43/56)
頸腕症候群 74.1%(20/27) 77.8%(21/27)
子宮付属器炎 61.5%(24/39) 87.2%(34/39)
月経困難症 74.4%(29/39) 79.5%(31/39)
紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑) 81.8%(27/33) 81.8%(27/33)
手術並びに外傷後の消炎・鎮痛 73.9%(272/368) 89.7%(330/368)
薬効薬理
1. 抗炎症作用19)
紫外線紅斑(モルモット)、カラゲニン浮腫(ラット)の急性炎症に対するID50(経口投与)は、それぞれ4.4mg/kg、22mg/kgで、アスピリンの各々の値(115、200mg/kg)に比し強力である。
アジュバント関節炎(ラット)の慢性炎症に対しては10~30mg/kg/日で抑制作用を示し、アスピリンの5~10倍の効果である。
2. 鎮痛作用20)
ラット足蹠の炎症性疼痛(Randall-Selitto法)に対し、2~30mg/kgの経口投与で作用を示し、アスピリンの30倍の効果である。
アセチルコリン誘発ライシング(マウス)に対するID50(経口投与)は1.9mg/kgで、アスピリンの28倍の効果である。
3. 解熱作用20)
ラットの酵母懸濁液注射による発熱を5~10mg/kgの経口投与で著明に抑制し、アスピリンの20倍の作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
Ibuprofen (イブプロフェン)
化学名:
(2RS )-2-[4-(2-Methylpropyl) phenyl] propanoic acid
分子式:
C13H18O2
分子量:
206.28
融点:
75~77℃
構造式:
性状:
イブプロフェンは白色の結晶性の粉末である。
エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
包装
ブルフェン錠100: (PTP) 100、500、1,000、2,100錠
ブルフェン錠100: (プラスチック容器) 1,000錠
ブルフェン錠200: (PTP) 100、500、1,000錠
ブルフェン錠200: (プラスチック容器) 500錠
ブルフェン顆粒20%: (ヒートシール、1包1g) 120、600g
ブルフェン顆粒20%: (プラスチック容器) 600g
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
斎藤章二 他: 基礎と臨床, 4, 1115~1125 (1970)
2)
ブルフェン錠100の血中濃度試験 (単回投与) に関する資料 (科研製薬(株)社内資料)
3)
Mills, R. F. N. et al.: XENOBIOTICA, 3, 589~598 (1973)
4)
日本リウマチ協会薬効検定委員会: リウマチ, 10, 309~315 (1970)
5)
森岡知一 他: 基礎と臨床