パロキセチン(20mgを1日1回14日間)を併用投与した時、アプレピタントのAUCは単独投与時に比べて0.73倍に、パロキセチンのAUCはパロキセチン単独投与時に比べて0.74倍に低下した。
(12) ジゴキシン(参考:外国人でのデータ)
健康成人11例に対して、ジゴキシン0.25mgを1日1回13日間反復投与時に、アプレピタントを7日目に125mg、8~11日目に80mg経口投与した時、ジゴキシンのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、7日目に0.99倍及び1.04倍、11日目に0.93倍及び1.02倍であり、尿中排泄量は併用投与時と単独投与時で同様であった。11)
(13) エチニルエストラジオール・ノルエチステロン(参考:外国人でのデータ)
健康成人女性19例に対して、経口避妊剤(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)を21日間反復投与時に、8日目からのデキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、アプレピタントを8日目に125mg、9~10日目に80mg経口投与した時、経口避妊剤単独投与時に比べて、10日目にエチニルエストラジオールのAUCは0.81倍に低下し、ノルエチステロンのAUCは1.05倍であった。また、併用投与時には9日目から21日目にかけて、エチニルエストラジオール及びノルエチステロンの血漿中濃度のトラフ値が、最大でそれぞれ0.36倍及び0.40倍に低下した。
(14) ドセタキセル(参考:外国人でのデータ)
悪性腫瘍患者10例に対して、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ドセタキセル60~100mg/m2を1日目に静脈内投与した時、ドセタキセルのAUC及びCmaxは単独投与時に比べて、それぞれ0.96倍及び0.95倍であった。12)
(15) ビノレルビン(参考:外国人でのデータ)
悪性腫瘍患者12例に対して、デキサメタゾン及びオンダンセトロンの投与に加え、アプレピタントを1日目に125mg、2~3日目に80mg経口投与し、ビノレルビン25~30mg/m2を1日目、8日目及び15日目に静脈内投与した時、ビノレルビンのAUC及び投与終了時の血漿中濃度はビノレルビン単独投与時に比べて、1日目に1.01倍及び1.16倍、8日目に1.00倍及び1.18倍であった。13)
臨床成績
〈成人〉
1. 国内臨床試験
国内で実施された第III相二重盲検比較試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。14)
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間
主要評価項目:全期間(0~120時間)
本剤群注2):64.2%※(111/173例)
標準治療群注3):47.3%(79/167例)
副次評価項目:急性期(0~24時間)
本剤群注2):93.6%※(162/173例)
標準治療群注3):80.8%(135/167例)
副次評価項目:遅発期(24<~120時間)
本剤群注2):64.7%※(112/173例)
標準治療群注3):48.8%(81/166例)
※:p<0.05
注1):抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。
注2):本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。
また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目10mg/日(iv)、2日目4mg/日(iv)、3日目8mg/日(iv)を併用投与した。
注3):グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1日目20mg/日(iv)、2~3日目8 mg/日(iv)を併用投与した。
2. 海外臨床試験
海外で実施された第III相二重盲検比較試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。15)
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間
主要評価項目:全期間(0~120時間)
本剤群注2):71.9%(795/1106例)
アプレピタント群注3):72.3%(820/1134例)
副次評価項目:急性期(0~24時間)
本剤群注2):89.0%(963/1082例)
アプレピタント群注3):88.0%(974/1107例)
副次評価項目:遅発期(24<~120時間)
本剤群注2):74.3%(822/1106例)
アプレピタント群注3):74.2%(841/1133例)
注1):抗悪性腫瘍剤として、シスプラチンが投与される患者を対象とした。
注2):本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。
また、オンダンセトロンは1日目32mg/日(iv)、デキサメタゾンは1日目12mg/日(po)、2日目8mg/日(po)、3~4日目16mg/日(po)を併用投与した。
注3):アプレピタントを1日目125mg/日(po)、2~3日目80mg/日(po)投与した。
また、オンダンセトロンは1日目32mg/日(iv)、デキサメタゾンは1日目12mg/日(po)、2~4日目8mg/日(po)を併用投与した。
**〈小児〉
国内臨床試験
生後6ヵ月以上18歳以下の小児を対象に国内で実施された臨床試験において、抗悪性腫瘍剤投与からの各期間における嘔吐なし、かつ救済治療なしの症例を有効とした有効率は以下のとおりである。2)
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間:全期間(0~120時間)
本剤群注2)(生後6ヵ月以上18歳以下):40.7%(11/27例)
12歳以上18歳以下:25.0%(3/12例)
生後6ヵ月以上12歳未満:53.3%(8/15例)
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間:急性期(0~24時間)
本剤群注2)(生後6ヵ月以上18歳以下):81.5%(22/27例)
12歳以上18歳以下:75.0%(9/12例)
生後6ヵ月以上12歳未満:86.7%(13/15例)
抗悪性腫瘍剤注1)投与からの時間:遅発期(24<~120時間)
本剤群注2)(生後6ヵ月以上18歳以下):44.4%(12/27例)
12歳以上18歳以下:25.0%(3/12例)
生後6ヵ月以上12歳未満:60.0%(9/15例)
注1):抗悪性腫瘍剤として、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミドのいずれかが投与される患者を対象とした。
注2):12歳以上の小児には、本剤を1日目に150mg/日(iv)投与した。また、グラニセトロンは1日目40μg/kg/日(iv)、デキサメタゾンリン酸エステルは1~2日目4mg/日(iv)、3日目に 8mg/日(iv)を併用投与した。
生後6ヵ月以上12歳未満の小児には、