併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
CYP3A4を阻害する薬剤
(イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル等)
臨床症状・措置方法
本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある。
薬剤名等
ジルチアゼム
臨床症状・措置方法
本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。
薬剤名等
CYP3A4を誘導する薬剤
(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある。
薬剤名等
CYP3A4で代謝される薬剤
(デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
**本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。
薬剤名等
CYP2C9で代謝される薬剤
(ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。
薬剤名等
ホルモン避妊法
(エチニルエストラジオール等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。
副作用
副作用等発現状況の概要
〈成人〉
成人を対象に国内で実施された第III相二重盲検比較試験において、174例中46例(26.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは便秘16例(9.2%)、ALT(GPT)上昇12例(6.9%)、しゃっくり10例(5.7%)、注入部位疼痛・滴下投与部位痛9例(5.2%)、AST(GOT)上昇8例(4.6%)、γ-GTP上昇6例(3.4%)、尿蛋白5例(2.9%)及び注入部位紅斑4例(2.3%)等であった。(承認時)
**〈小児〉
生後6ヵ月以上18歳以下の小児を対象に国内で実施された臨床試験において、27例中4例(14.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは上腹部痛1例(3.7%)、リンパ球数減少1例(3.7%)、尿中ブドウ糖陽性1例(3.7%)、頭痛1例(3.7%)、しゃっくり1例(3.7%)であった。(用法・用量追加時)
重大な副作用
1. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群、頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 穿孔性十二指腸潰瘍
穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
3. ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「禁忌」及び「重要な基本的注意」の項参照)
その他の副作用
以下の副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
1. 皮膚
5%未満
発疹
2. 皮膚
頻度不明※
そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹
3. 精神神経系
5%未満
頭痛
4. 精神神経系
頻度不明※
めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識
5. 循環器
5%未満
潮紅
6. 循環器
頻度不明※
徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇
7. 消化器
5~10%未満
便秘
8. 消化器
5%未満
下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎
9. 消化器
頻度不明※
悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満
10. 呼吸器
5~10%未満
しゃっくり
11. 呼吸器
5%未満
咳嗽
12. 呼吸器
頻度不明※
咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感
13. 肝臓
5~10%未満
ALT(GPT) の上昇
14. 肝臓
5%未満
AST(GOT)、アルカリホスファターゼ、γ-GTP、ビリルビンの上昇
15. 腎臓
5%未満
蛋白尿、尿糖
16. 腎臓
頻度不明※
BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿
17. 血液
5%未満
リンパ球数減少
18. 血液
頻度不明※
貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少
19. 筋骨格系
頻度不明※
筋痙攣、筋痛、四肢痛
20. 注射部
5%未満