臨床症状・措置方法
不整脈があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
3. 薬剤名等
カルシウム製剤
乳酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
4. 薬剤名等
ビタミンD及びその誘導体
カルシトリオール等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
相加作用
5. 薬剤名等
**PTH製剤
テリパラチド
臨床症状・措置方法
**高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
**相加作用
副作用
副作用等発現状況の概要
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症、未熟児におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状の改善
4,967例中285例(5.7%)471件に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒感112件(2.3%)、食欲不振48件(1.0%)、嘔気47件(0.9%)、下痢28件(0.6%)、ALT(GPT)の上昇27件(0.5%)であった。(散剤追加承認(1993.1)時まで)
骨粗鬆症
14,808例中192例(1.3%)241件に副作用が認められた。主な副作用は、BUNの上昇24件(0.2%)、嘔気23件(0.2%)、食欲不振21件(0.1%)、胃痛19件(0.1%)、AST(GOT)の上昇14件(0.09%)であった。(散剤追加承認(1993.1)時まで)
重大な副作用
1. 急性腎不全
頻度不明
血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全があらわれることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
2. 肝機能障害、黄疸
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行うこと。
1.消化器
0.1~5%未満
食欲不振、悪心・嘔気、下痢、便秘、胃痛
2.消化器
0.1%未満
嘔吐、腹部膨満感、胃部不快感、消化不良、口内異和感、口渇等
3.精神神経系
0.1%未満
頭痛・頭重、不眠・いらいら感、脱力・けん怠感、めまい、しびれ感、眠気、記憶力・記銘力の減退、耳鳴り、老人性難聴、背部痛、肩こり、下肢のつっぱり感、胸痛等
4.循環器
0.1%未満
軽度の血圧上昇、動悸
5.肝 臓
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
6.肝 臓
0.1%未満
LDH、γ-GTPの上昇
7.腎 臓
0.1~5%未満
BUN、クレアチニンの上昇(腎機能の低下)
8.腎 臓
0.1%未満
腎結石
9.皮 膚
0.1~5%未満
そう痒感
10.皮 膚
0.1%未満
発疹、熱感
11.眼
0.1~5%未満
結膜充血
12.骨
0.1%未満
関節周囲の石灰化(化骨形成)
13.その他
0.1%未満
嗄声、浮腫
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ヒト妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で大量投与の場合、胎児化骨遅延等がみられている。]
2.
授乳中は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で授乳による新生児への移行率は、母動物投与量の1/20に相当する。]
小児等への投与
小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならぬよう慎重に投与すること。[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強くあらわれている。]
適用上の注意
薬剤交付時
(1)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
(2)
瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。
その他の注意
高リン血症のある患者に投与する場合はリン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。
薬物動態
ヒトに5μg単回経口投与した場合、血漿1α,25-(OH)2D濃度は速やかに上昇し9時間後に最高値(141.9pg/mL)となり以後漸減した。その半減期は17.6時間であった1)。
30日間連続経口投与(1μg/日)した時の血漿1α,25-(OH)2D濃度は26.1pg/mLで投与中止により14日後21.3pg/mL、18日後3.1pg/mLに減少した(ヒト慢性腎不全)2)。
(注)本剤の5μg単回投与は承認外用量である。
臨床成績
二重盲検法により、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症及び骨粗鬆症に対する比較試験が行われ、いずれも有用性が認められた3-5)。
薬効薬理
1. 作用の発現(アルファカルシドールの25位水酸化)
ラット肝灌流により、速やかに1α,25-(OH)2D3に代謝される6)。この肝での25位水酸化反応は四塩化炭素又はガラクトサミン投与の肝障害時にも保持されている(ラット)7)。
2. 作用・効果
(1)
ビタミンD欠乏あるいは低リン・高Ca食飼育ラットに対し、