白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤のトラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
リファンピシン
リファブチン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
2. 薬剤名等
抗てんかん剤(フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン等)
抗HIV剤(エファビレンツ、ネビラピン等)
副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
機序・危険因子
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
3. 薬剤名等
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、フルコナゾール等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
4. 薬剤名等
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン等)
カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ニカルジピン、ジルチアゼム等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビル、インジナビル、ホスアンプレナビル、リトナビル等)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
5. 薬剤名等
不活化ワクチン(不活化インフルエンザワクチン等)
臨床症状・措置方法
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
機序・危険因子
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
6. 薬剤名等
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
機序・危険因子
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
7. 薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。
機序・危険因子
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
8. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
機序・危険因子
代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
9. 薬剤名等
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等
臨床症状・措置方法
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmaxが25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
副作用
転移性腎細胞癌患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与274例(日本人15例を含む)中、副作用は248例(90.5%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(43.8%)、発疹81例(29.6%)、貧血77例(28.1%)、疲労68例(24.8%)、下痢65例(23.7%)、無力症63例(23.0%)、食欲減退57例(20.8%)、高コレステロール血症54例(19.7%)、悪心53例(19.3%)、粘膜の炎症48例(17.5%)、嘔吐48例(17.5%)、末梢性浮腫46例(16.8%)、高トリグリセリド血症44例(16.1%)、咳嗽41例(15.0%)、そう痒症39例(14.2%)、感染症39例(14.2%)、皮膚乾燥36例(13.1%)、鼻出血34例(12.4%)、呼吸困難28例(10.2%)、味覚異常28例(10.2%)等であった。 (試験終了時の集計)
膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第III相国際共同臨床試験において、本剤投与204例(日本人23例を含む)中、副作用は195例(95.6%)にみられた。主な副作用は、口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(64.2%)、発疹99例(48.5%)、下痢70例(34.3%)、疲労66例(32.4%)、感染症49例(24.0%)、末梢性浮腫45例(22.1%)、悪心41例(20.1%)、食欲減退41例(20.1%)、頭痛40例(19.6%)、鼻出血36例(