ホン酸ナトリウム
臨床症状・措置方法
アルカローシスがあらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
本剤の金属カチオンとイオン交換樹脂が結合することにより、腸管内に分泌された重炭酸塩が中和されずに再吸収されるためと考えられる。
8. 薬剤名等
牛乳、乳製品、カルシウム製剤
臨床症状・措置方法
milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
機序・危険因子
機序は不明であるが血清カルシウムの上昇と本剤による血中pHの上昇が関与すると考えられる。
併用注意に関する注意
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の制酸剤を含有しているため、吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇により、併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例数248例中悪心が1例(0.40%)認められた。
(第1次再評価時における文献集計)
その他の副作用
1. 過敏症
頻度不明
発疹等※
2. 皮膚
頻度不明
かゆみ
3. 消化器
頻度不明
悪心・嘔吐、便秘、下痢、口渇、あい気等
4. 代謝異常※※
頻度不明
高マグネシウム血症、高カルシウム血症
5. 長期投与※※
頻度不明
アルミニウム脳症、アルミニウム骨症
その他の副作用の注意
※症状があらわれた場合には投与を中止すること。
※※長期又は大量投与により発現することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
臨床成績
二重盲検比較試験を含む胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎248例の総有効率は60.9%(151/248)であった。1)
薬効薬理
1. メチルメチオニンスルホニウムクロリドの各種実験潰瘍、胃粘膜損傷に対する作用
(1)
実験潰瘍(酢酸、clamping)を抑制し、胃粘膜組織ムコ多糖成分の分解を防止(β-グルクロニダーゼ活性およびN-アセチル-β-グルコサミニダーゼ活性の抑制)する(ラット)2)。
(2)
実験潰瘍(エタノール、塩酸エタノール、塩酸アスピリン)における胃粘膜損傷を抑制する。インドメタシン前処理ではこれらの作用は低下する(ラット)3)。
(3)
実験潰瘍で胃血流を増加する(イヌ)4)。
(4)
エタノール潰瘍に対して胃粘膜表層部の粘液糖蛋白量を増加・保持させる(ラット)5)。
(5)
胃切除後の残胃粘膜の変性防止を認め、上皮の再生、粘液分泌を認める(イヌ)6)。
2. メチルメチオニンスルホニウムクロリドとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム・沈降炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの配合意義
実験潰瘍を抑制し、上記制酸剤配合による協力効果が認められる(ラット)7)8)。
有効成分に関する理化学的知見
1. メチルメチオニンスルホニウムクロリド
一般名
メチルメチオニンスルホニウムクロリド(Methylmethionine Sulfonium Chloride)
化学名
3-Amino-3-carboxypropyldimethyl sulfonium chloride
構造式

分子式
C6H14ClNO2S
分子量
199.70
融点
約140℃(分解)
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。また、吸湿性である。
2. メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
性状
白色の粉末又は粒で、におい及び味はない。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。1gを希塩酸10mLと加熱するとき、大部分溶ける。
3. 沈降炭酸カルシウム
性状
白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。
4. 炭酸マグネシウム
性状
白色のもろい塊又は粉末で、においはない。水、エタノール(95)、1-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に泡立って溶ける。飽和水溶液はアルカリ性である。
包装
1.
キャベジンUコーワ配合酸 1kg
2.
キャベジンUコーワ配合酸 1g×1050包
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
田中昭平他:薬理と治療,5.2947(1977)
2)
鈴木 良雄:日本薬学会第94年会発表(1974)
3)
岡部 進他:Ther. Res.,17.3663(1996)
4)
佐島敬清他:基礎と臨床,11.3182(1977)
5)
Watanabe T.et al.:Dig. Dis. Sci.,41.49(1996)
6)
赤木正信他:新薬と臨床,14.887(1965)
7)
吉中康展他:応用薬理,21.921(1981)
8)
吉中康展他:応用薬理,25.797(1983)
文献請求先
1
文献請求先
興和株式会社 医薬事業部 医薬学術部
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町3-4-14
2
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