せない状態,顕著な血圧上昇がみられた場合等
5.
子宮を有する女性に投与する場合は,子宮内膜癌予防の見地から黄体ホルモンの併用が原則である.(「その他の注意」1.の項参照)
6.
他のホルモン補充療法から本剤に切り替える場合,周期的投与法では治療周期の最終日以降,また逐次的投与法では休薬の後,本剤の投与を開始すること.
相互作用
本剤は主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される.
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル等
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン等
イミダゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール等
トリアゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が増加し,作用が増強されるおそれがある.
機序・危険因子
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害することにより,本剤の代謝を阻害すると考えられる.
薬剤名等
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
フェノバルビタール等
カルバマゼピン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少し,作用が減弱されるおそれがある.
機序・危険因子
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を誘導することにより,本剤の代謝を促進すると考えられる.
副作用
副作用等発現状況の概要
更年期障害及び卵巣欠落症状
更年期障害及び卵巣欠落症状に対する国内試験において,エストラジオール0.5mgあるいは1.0mg投与した総症例143例中44例(30.8%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,性器分泌物24例(16.8%),乳房不快感9例(6.3%),腹痛7例(4.9%),性器出血6例(4.2%),腹部膨満6例(4.2%)等であった.(承認時)
閉経後骨粗鬆症
閉経後骨粗鬆症に対する国内試験において,総症例56例中34例(60.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,乳房不快感12例(21.4%),乳頭痛8例(14.3%),性器分泌物5例(8.9%),乳房痛5例(8.9%)等であった.(効能追加承認時)
重大な副作用
静脈血栓塞栓症,血栓性静脈炎(頻度不明)
静脈血栓塞栓症や血栓性静脈炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には使用を中止し,適切な処置を行うこと.
重大な副作用(類薬)
アナフィラキシー様症状
アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には使用を中止し,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので,このような場合には適切な処置を行うこと.
生殖器
5%以上
性器分泌物
生殖器
1~5%未満
性器出血
生殖器
1%未満
外陰腟不快感,子宮頸管ポリープ
生殖器
頻度不明
月経困難症(性器出血時の腹痛),女性陰部そう痒症,腟真菌症
乳房
5%以上
乳房不快感
乳房
1~5%未満
乳房痛,乳頭痛
乳房
頻度不明
乳房のう胞,乳房障害(乳腺症)
消化器
1~5%未満
腹部膨満,腹痛,悪心
消化器
1%未満
便秘,腹部不快感,下痢,胃炎
精神神経系
1~5%未満
浮動性めまい
精神神経系
1%未満
頭痛,不眠症,感覚減退(四肢のしびれ感等)
循環器
1%未満
血圧上昇,動悸
電解質代謝
1~5%未満
浮腫
内分泌・代謝系
1~5%未満
血中トリグリセリド増加
内分泌・代謝系
1%未満
TSH増加
筋・骨格系
1~5%未満
背部痛,筋骨格硬直(肩又は手のこわばり等)
皮膚
1%未満
湿疹
その他
頻度不明
倦怠感
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,本剤は,75歳を超える高齢者での使用経験はない.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.卵胞ホルモン剤を妊娠マウスに投与した場合,児の成長後腟上皮及び子宮内膜の癌性変化を示唆する結果が報告されている.また新生児に投与した場合,児の成長後腟上皮の癌性変化を認めたとの報告がある.]
2.
授乳中の女性には使用しないこと.[ヒトにおいて,母乳中への移行が報告されている.]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
その他の注意
1. ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では,子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く,この危険性は,使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍,10年以上で9.5倍),黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている1).
2.
黄体ホルモン剤の併用投与については,以下のいずれかの方法で行うことが望ましい.
<参考>
(1) 持続的投与
連続して本剤と黄体ホルモン剤を投与する.
(2) 周期的投与
黄体ホルモン剤を併用して毎月12~14日間投与する.
3. HRTと乳癌の危険性
(1)
米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women’s Health Initiative(WHI)試験)の結果,結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では,乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある2).並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果