正常ラット、マウスにおいて網状赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球数の用量依存的な増加が認められた20,21)。
(2)
各種腎性貧血モデル動物(5/6腎摘ラット22)、慢性腎炎ラット23)、腎不全イヌ24))において赤血球増加による著明な貧血改善効果が認められた。
(3)
本剤とヒト尿由来エリスロポエチンの造血効果を、正常ラット及び5/6腎摘ラットを用いて比較したとき、両者間に有意な差は認められなかった21)。
(4)
瀉血したラット25)及びイヌ26,27)において、ヘモグロビン濃度の低下抑制や回復の促進効果が認められた。
(5)
本剤をマウスに連日静脈内投与したとき、骨髄と脾臓における赤芽球コロニー形成細胞(CFU‐E)数が有意に増加した。CFU‐E数(骨髄)の増加のピークは2日目にみられたのに対し、網状赤血球の増加のピークは5日目にみられた28)。
2. 作用機序
(1)
ヒト由来の天然エリスロポエチンと基本的に差異のない構造を有する糖蛋白質性の造血因子で、骨髄中の赤芽球系前駆細胞に働き、赤血球への分化と増殖を促すと考えられている。
(2)
マウスの骨髄細胞を本剤存在下で培養し、コロニー形成能を測定した結果、CFU‐Eをはじめとして赤芽球バースト形成細胞(BFU‐E)、巨核球系前駆細胞(CFU‐Meg)にも作用したが、顆粒球マクロファージ系前駆細胞(CFU‐GM)には全く作用しなかった(in vitro)21)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
エポエチン ベータ(遺伝子組換え)
(Epoetin Beta(Genetical Recombination))(JAN)
*本 質
遺伝子組換えヒトエリスロポエチンであり、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。本品は、165個のアミノ酸残基(C809H1301N229O240S5;分子量:18235.70)からなる糖タンパク質(分子量:約30000)である。
包装
エポジン注シリンジ1500:1シリンジ
エポジン注シリンジ1500:10シリンジ
エポジン注シリンジ3000:1シリンジ
エポジン注シリンジ3000:10シリンジ
エポジン注アンプル1500:10アンプル
エポジン注アンプル3000:10アンプル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Besarab, A. et al.: N. Engl. J. Med., 339:584 (1998)
2)
Singh, A. K. et al.: N. Engl. J. Med., 355:2085 (2006)
3)
Pfeffer, M. A. et al.: N. Engl. J. Med., 361:2019 (2009)
4)
Leyland‐Jones, B.: J. Clin. Oncol., 23:5960 (2005)
5)
Henke, M. et al.: Lancet, 362:1255 (2003)
6)
Overgaard, J. et al.: J. Clin. Oncol., 27(15s):302s (2009)
7)
Luksenburg, H. et al.: FDA Briefing Document. ODAC May 4 (2004)
8)
Smith, R.E. Jr. et al.: J. Clin. Oncol., 26:1040 (2008)
9)
宇治康明, 他:診療と新薬, 26(1):1 (1989)
10)
角尾道夫, 他:薬理と治療, 21(11):4043 (1993)
11)
角尾道夫, 他:薬理と治療, 21(11):4057 (1993)
12)
平沢由平, 他:臨牀透析, 5(3):453 (1989)
13)
社内資料:木下春喜, 他:未熟児貧血症例の薬物動態 (2001)
14)
秋澤忠男, 他:腎と透析, 50(2):247 (2001)
15)
平沢由平, 他:腎と透析, 27(2):367 (1989)
16)
杉野信博, 他:腎と透析, 32(5):795 (1992)
17)
杉野信博, 他:腎と透析, 38(1):151 (1995)
18)
尾本良三, 他:医学のあゆみ, 161(7):485 (1992)
19)
東 博彦, 他:医学のあゆみ, 161(2):163 (1992)
20)
河村明典, 他:臨床医薬, 6(S‐2):498 (1990)
21)
今井信雄, 他:臨床医薬, 6(S‐2):516 (1990)
22)
Kawamura, A. et al.: Biotherapy, 2:77 (1990)
23)
社内資料:二木力夫, 他:ラット慢性腎不全モデルにおける薬理作用 (1988)
24)
社内資料:田村博志, 他:イヌ貧血モデルにおける薬理作用 (1988)
25)
社内資料:渡辺一郎, 他:瀉血ラット貧血モデルにおける薬理作用 (1989)
26)
社内資料:田村博志, 他:瀉血イヌ貧血モデルにおける薬理作用 (1988)
27)
社内資料:山崎 保, 他:瀉血イヌ貧血モデルにおける薬理作用(静脈内投与) (1991)
28)
社内資料:今井信雄, 他:マウス造血系に及ぼす影響 (1988)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社 医薬情報センター
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話番号
0120‐189706
FAX番号
0120‐189705
http://www.chugai-pharm.co.jp
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1