に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
〈シリンジ〉
投与時
1)
本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
2)
注射筒先端のゴムキャップを外した後は速やかに使用し、使用後は廃棄すること。
〈アンプル〉
調製時
1)
本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
2)
本剤はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、カットすることが望ましい。
その他の注意
1.
未熟児貧血患児に対する本剤の増量の判断は、出生体重、在胎期間を考慮し、貧血によると考えられる臨床症状、合併症、急激なヘモグロビン濃度の低下等に十分留意し行うこと。
なお、前期第II相試験において、本剤1回400国際単位(IU)/kgの週2回皮下投与の使用経験がある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「臨床成績5.」の項参照)
2.
エリスロポエチン製剤の投与において、未熟児網膜症との関連性は認められていないが、基礎研究において、エリスロポエチンによる血管新生作用が認められ、未熟児網膜症への影響を示唆する報告がある。
3.
心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群注5)では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある1)。
4.
保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者注5)では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある2)。
5.
2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者注5)とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある3)。
6.
がん化学療法又は放射線療法による貧血患者注5)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間の短縮が認められたとの報告がある4,5)。
7.
放射線療法による貧血患者注5)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は局所再発のリスクが増加したとの報告がある5,6)。
8.
プラセボを投与されたがん化学療法による貧血患者注5)に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある7)。
9.
がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血患者注5)に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験において、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある8)。
注5)これらの患者への投与は、本邦では承認外である。
薬物動態
1. 健康成人
(1) 単回静脈内投与9)
健康成人男子4名に1800、3600国際単位(IU)をそれぞれ単回静脈内投与した場合の血清中濃度推移、生物学的半減期(t1/2)、血中濃度・時間曲線下面積(AUC)、分布容積(Vd)、クリアランス(CL)は下記の通りであった。
また、投与144時間までの累積尿中排泄率はそれぞれ2.4%、4.6%であった。
注6)本剤の静脈内投与における承認用量は1500、3000及び6000IUである(「用法・用量」の項参照)。
(2) 単回皮下投与10)
健康成人男子に1500、3000国際単位(IU)をそれぞれ単回皮下投与した場合の血清中濃度推移、最高血清中濃度(Cmax)及び到達時間(tmax)、t1/2、AUC、生物学的利用率(F;AUCsc/AUCiv)は下記の通りであった。また、投与120時間までの尿中排泄量はいずれもプラセボ群(内因性エリスロポエチンの尿中排泄量)と同程度であった。
注7)本剤の皮下投与における成人の承認用量は6000~12000IUである(「用法・用量」の項参照)。
(3) 反復皮下投与時11)
健康成人男子に1500国際単位(IU)を5日間隔で3回皮下投与した場合の1回目及び3回目の血清中濃度推移、Cmax、tmax、t1/2、AUC、F;AUCsc/AUCivは下記の通りであった。また、3回目投与後の各パラメータを1回目と比較した場合、変化は認められなかった。
注8)本剤の皮下投与における成人の承認用量は6000~12000IUである(「用法・用量」の項参照)。

2. 血液透析患者12)
血液透析患者8名に1800国際単位(IU)を単回静脈内投与した場合のt1/2は、9.4時間と健康成人より消失が遅延する傾向が認められた。
注9)本剤の透析施行中の腎性貧血における静脈内投与での承認用量は1500、3000IUである(「用法・用量」の項参照)。

3. 未熟児13)
未熟児に200国際単位(IU)/kgを週2回8週間皮下投与し、20名より得られた血清中濃度測定値により母集団薬物動態解析を行った。反復の各投与時間を0時間とし、推移時間と血清中濃度とをプロットしたものは下記の通りであった。得られた母集団パラメータよりベイジアン法により推定したCL、Vd及びt1/2の平均値は、それぞれ41.7mL/h/kg、530mL/kg、9.02時間であった。
薬物動態の表
表1 単回静脈内投与時の各パラメータ
t1/2
(h) |
AUC
(mIU・h/mL) |
Vd
(mL) |
CL
(mL/h) |
1800IU |
3.3±0.1 |
3,008.3±316.8 |
3,623±243 |
758±62 |
3600IU |
5.2±1.2 |
5, |