者に本剤を投与するとき、用量を調節する必要はない。
エトラビリンは血漿蛋白結合率が高いことから、血液透析や腹膜透析によって除去される可能性は低い。
(8) 高齢患者
HIV-1感染患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果、検討した年齢範囲（18～77歳）でエトラビリンの薬物動態に顕著な差は認められなかった41）。
表1 本剤200mgを単回経口投与したときの血漿中エトラビリンの薬物動態パラメータ
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薬物動態パラメータ |
平均値（標準偏差）, n=10 |
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Cmax（μg/mL） |
0.500（0.162） |
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tmax（h） |
4.00（2.00～5.02） |
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AUC∞（μg・h/mL） |
8.04（4.62） |
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t1/2（h） |
63.5(44.1) |
tmax：中央値（範囲）
表2 エトラビリンの母集団薬物動態推定値
（第III相臨床試験の併合中間解析：投与24週）
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薬物動態パラメータ |
薬物動態パラメータ |
本剤200mg 1日2回投与
n=574 |
AUC12
（μg・h/mL） |
幾何平均値
中央値（範囲） |
4.53
4.45（0.458～5.63） |
C0
（μg/mL） |
幾何平均値
中央値（範囲） |
0.297
0.299（0.002～4.62） |
C0：投与直前濃度
臨床成績
＜外国臨床成績＞
DUET-1（TMC125-C206）/DUET-2（TMC125-C216）試験
抗HIV薬の治療歴がある治療抵抗性の患者を対象として、プラセボを対照とした臨床第III相二重盲検比較試験を2試験実施した。投与24週時点の併合中間解析において、本剤群599例及びプラセボ群604例を比較した。両群ともベースライン時のHIV RNA量の中央値は4.8 log10コピー/mL、本剤群とプラセボ群のCD4陽性細胞数の中央値はそれぞれ99及び109×106/Lであった。また両群ともNNRTI耐性関連変異（RAM）数の中央値は2、PI－次変異数の中央値は4であった。投与24週時における中間成績を表3に示す。
DUET-1/DUET-2試験でウイルス学的効果が不十分（治療失敗）である患者の本剤投与前後のRAMとして、V179D/F/T、Y181V又はG190Sが確認された。ベースライン時に最も多くみられたK103Nは本剤の効果に影響はなく、IAS-USA（2007）のNNRTI RAMを3つ以上有する場合に本剤のウイルス学的効果に減弱がみられた。NNRTI RAM数別のウイルス学的効果を表4に、また薬剤耐性検査（表現型解析）別のウイルス学的効果を表5に示す。
C227試験
NNRTI耐性を有するPI未治療患者に対しては、本剤＋2NRTI投与群よりもPI+2NRTI投与群のウイルス学的効果が高いことが報告されている。臨床第IIb相非盲検群間比較試験の結果、116例のうち本剤群には59例、対照PI群には57例が登録されたが、本剤群のウイルス学的効果は対照PI群に比し低かった。これは、本剤＋2NRTI投与群では、PI+2NRTI投与群に比し本剤及びNRTIに対する感受性が低かったことによると考えられた。
表3 臨床成績の概要（DUET-1/DUET-2試験）
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＼ |
本剤群注1）
（n＝599） |
プラセボ群注1）
（n＝604） |
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ウイルス学的効果 |
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HIV RNA量が<50コピー/mL |
58.9％ |
41.1％ |
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HIV RNA量が<400コピー/mL |
74.3％ |
52.5％ |
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HIV RNAのlog10平均減少量注2）、注2） |
-2.37 |
-1.69 |
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CD4+細胞数の平均増加量（×106/L） |
85.6 |
66.8 |
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エイズ関連疾患の発症及び死亡 |
3.7％ |
6.8％ |
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投与24週までの投与中止 |
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ウイルス学的治療失敗 |
32.7％ |
53.1％ |
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有害事象 |
5.0％ |
1.8％ |
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その他の理由 |
2.0％ |
2.2％ |
注1）背景治療にはダルナビル/リトナビル＋NRTIs±ENFを用いた
注2）早期中止例はlog10減少量を0として集計した
注2）単位：log10コピー/mL
表4 IAS-USA（2007） NNRTI RAM数別のウイルス学的効果
