、嘔気、嘔吐、消化不良、下痢、鼓腸放屁、痔出血、口内乾燥、舌荒れ、血便、食欲不振
**,*肝臓 0.1~5%未満 肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇等)
皮膚 0.1~5%未満 そう痒、丘疹、発疹、肌荒れ
循環器 0.1~5%未満 動悸、不整脈、狭心症状
*筋骨格系 0.1~5%未満 CK(CPK)上昇、関節痛、頸部痛
**,*その他 0.1~5%未満 コリンエステラーゼ上昇、赤血球数減少、ヘモグロビン値低下、白血球数減少、ヘマトクリット値低下、アミラーゼ上昇、胸痛、頭痛、ピリピリ感、けん怠感、浮腫(顔面 、四肢等)、苦味、鼻出血、めまい
注)症状があらわれた場合には、緩下剤の併用あるいは本剤の減量又は休薬を考慮し、重症の場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者との間に差は認められていないが、一般 に高齢者では生理機能が低下しているので、消化器症状等の副作用に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。
(使用経験がない)
適用上の注意
1.服用時 (1) 本剤は十分量(200mL程度)の水で服用させること。
(2) 温水(湯、温かい茶等)にて服用すると膨らんで服用できない場合があるので常温の水又は冷水で服用させること。
(3) 口中に長く留めていると膨らんで服用できない場合があるので速やかに嚥下させること。
2.薬剤交付時(錠剤) PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
類薬(コレスチラミン)で、動物実験(ラット)において既知発がん物質によって誘発される腸腫瘍の発生頻度が上昇するとの報告がある。
薬物動態
(参考) 14C-コレスチミドをラット及びイヌに経口投与した場合、消化管内で代謝又は分解されず、また、吸収されずにすべて糞中に排泄された3)。
臨床成績
臨床成績4-14)
高コレステロール血症 (1) 第III相比較対照試験の98例に対する全般改善度は次のとおりであった。
対象疾患名:高コレステロール血症
改善率(%)〔改善以上〕:71.4%(70/98)
治療終了時の血清脂質値の変化率の平均は、総コレステロール値で12.0%の低下、LDL-コレステロール値で21.9%の低下であり、HDL-コレステロール値は8.4%の上昇であった。
(2) 本剤の国内臨床症例における血清総コレステロール値の変動を食前後投与で比較すると次のようになった。
第I相試験 食前投与:18.9%低下(n=6)
食後投与:16.5%低下(n=6)
第II相以降の全試験 食前投与:10.9%低下(n=534)
食後投与オープン試験 食後投与:13.5%低下(n=31)
HMG-CoA還元酵素阻害剤との併用13,14) HMG-CoA還元酵素阻害剤プラバスタチンナトリウム単独使用例に本剤を併用したところ、本剤投与開始時に対する総コレステロール及びLDL-コレステロールの低下率は、家族性高コレステロール血症患者12例において9~13%及び14~18%、冠動脈疾患を合併した高コレステロール血症患者8例において11~16%及び19~27%であった。
薬効薬理
1.作用機序15-17) コレスチミドは消化管で胆汁酸を吸着し、その排泄促進作用により胆汁酸の腸肝循環を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を亢進する。その結果 、肝のコレステロールプールが減少するため、この代償作用として、肝LDL受容体の増加による血中LDLの取り込み亢進が生じ、血清総コレステロールが減少する。なお、外因性コレステロールの直接の吸着あるいは胆汁酸ミセル形成阻害によるコレステロール吸収阻害も血清総コレステロールの減少に寄与するものと考えられている。
2.胆汁酸及びコレステロール吸着作用17) In vitroでコレスチミドは各種胆汁酸を吸着した。また、胆汁酸・脂質複合体ミセルに対してもその構成成分(コール酸、オレイン酸、モノオレイルグリセロール、リン脂質、コレステロール)を吸着した。
3.胆汁酸及びコレステロールの吸収抑制、排泄促進作用15,16) ラットへの経口投与により門脈血中総胆汁酸濃度と腹部リンパ管内の総コレステロールは有意に減少した。また、ウサギヘの経口投与により糞中胆汁酸排泄量 の有意な増加と糞中コレステロール排泄量の有意な増加が認められた。
4.LDL-レセプターに対する作用15,16) ウサギヘの経口投与により肝臓中のLDL-レセプターmRNA発現は増加した。また、ハムスターへの経口投与によりLDLクリアランスが増加した。
5.血中コレステロール低下作用15,16) (1) コレステロール食を負荷したラット及びウサギにおいて、血中コレステロール低下作用が認められ、ウサギにおいてはその作用に基づくと考えられる動脈壁脂質沈着抑制作用が認められた。
(2) コレステロール食負荷ウサギにおいて、プラバスタチンナトリウム(HMG-CoA還元酵素阻害剤)と併用することにより血中コレステロール低下作用に対する併用効果 が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名: コレスチミド(colestimide, JAN)、colestilan(INN)
化学名: 2-methylimidazole-epichlorohydrin copolymer

本品は不規則に入り乱れた複雑な立体構造を有するが【I】の基本構造で示され、またその構造は部分的には【II】で示される。
性状: 白色~微黄白色の粉末でにおいはなく、各種の溶媒にほとんど溶けない。
包装
コレバイン錠500mg:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)
コレバイン顆粒70%:100包(2.14g×100包)、300包(2.14g×300包)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1) 川井瑞恵 ほか:薬理と治療, 24(Suppl.4), 133, 1996
2) 井澤 修 ほか:薬理と治療, 24(Suppl.4), 139, 1996
3) 小松貞子 ほか:薬理と治療, 24(Suppl.4), 165, 1996
4) 小林美苗 ほか:臨床医薬, 12, 1203, 1996
5) 中谷矩章 ほか:臨床医薬, 12, 1217, 1996