、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
○アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、メトロニダゾールとして1回250mg及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。
2.
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
3.
*本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対して用いる場合、プロトンポンプインヒビターはランソプラゾールとして1回30mg、オメプラゾールとして1回20mg、ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg又はエソメプラゾールとして1回20mgのいずれか1剤を選択する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
3.
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。]
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
1.
ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。
2.
*本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
*ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
*ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
*腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
2. 薬剤名等
*経口避妊薬
臨床症状・措置方法
*経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
*腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症
製造販売後の副作用の頻度調査(1978年8月時点)では525例中23例(4.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾールの3剤投与については、国内で行われた承認時までの試験で430例中217例(50.5%)に、製造販売後の調査で3,491例中318例(9.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている(再審査終了時点)。
また、アモキシシリン水和物、メトロニダゾール及びプロトンポンプインヒビターの3剤投与については、国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない(承認時)。
なお、外国で行われた試験(ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン又はメトロニダゾールの3剤投与)では680例中239例(35.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
*胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン又はメトロニダゾール及びプロトンポンプインヒビターの3剤投与については、国内において臨床試験等の副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない(承認時)。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
重大な副作用
1.
ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
**中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも0.1%未満)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
顆粒球減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.
**間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合
過敏症注2)
0.1~5%未満
発熱、発疹、蕁麻疹
血液
0.1%未満